「もう一度、空ちゃんと友達になってあげてよ!空ちゃんの側にいてあげてよ!いじめとか一切なしでさ!」

・・・・・・。

バカ。

お前は何考えてんだよ。

「・・・・・無理たよ」

「なんで?」

『なんで?』って、なんで説明しなきゃいけないのさ。
川下も本当は充分理解しているくせに。

本当にコイツもあたしも、バカだよ。

「あたしにはもう空に会わせる顔がないの! 空を『自殺』まで追い込んだのは、あたしなんだからさ!」

目の前に広がる青空向かってあたしはそう叫んだ。
同時に自分にも言い聞かせるように。

『自分が空に何をやったのか』、再度思い返すように・・・・・。

・・・・・。

あたしは空をいじめた。
空を精神的に追い込み、空を自殺まで追いやったのは間違いなくあたしだ。

空を苦しめたのはあたしなのに。

なのに・・・・。

「ホントにそうかな?」

その言葉と暖か過ぎる川下の笑顔に頭の中が真っ白になった。

「えっ?」

同時にジェットコースターは下降していく。
沢山の大きな声が青空に響き渡る・・・・。

あたしも次第に会話が出来なくなり、川下の声も楽しそうな大きな悲鳴のような声に変わっていく。
楽しいと思わされる時間がやってくる。

でも。

・・・・・・・。

全然楽しくない。

大好きなジェットコースターなのに、さっきの川下の一言で、全然楽しめない。

頭の中は真っ白・・・・。

ホント、全然楽しくない・・・・・。