「変な冗談を言っちゃったけどさ」

 涼香はひとしきり笑ってから、笑みはそのままで、紫織を見つめた。

「プレゼント選びをする時は、良かったら私にも声をかけてよ。ひとりよりふたりの方が探すのもだいぶ楽だろうしさ」

「うん、そうする」

 紫織は答えたものの、プレゼントはひとりで選ぶ気でいた。
 宏樹のはともかく、朋也のもとなると、涼香の気持ちを知ってしまっている手前、さすがに気まずい。
 涼香のことだから、『気にしないで!』と笑いながら言ってくれそうではあるが。

(でも、あんまり気を遣わせ過ぎるのもいけないよね)

 屈託なく笑う涼香に視線を注ぎながら、紫織もまた、小さく笑みを浮かべた。