実際にできるかは謎だが、世界にはいろいろな言葉の返し方があるものだと、しみじみ感心してしまった。

「また来るからな!」

 鷹司さんは高々と宣言し、帰っていった。なんというか、嵐が過ぎ去った感がある。
 つごもりさんと良夜さんは、ため息をついていた。

「まあ、悪い人ではない、ということだけはわかりました」

「同じく」

「ですね」

 鷹司さんには“嵐”ではなく、町を変える“風”になってほしい。
 そう、思ってしまった。