「それとケーキも買ってきたぞ」
健が、キレイなリボンがかかった大きい箱を渡してきた。
「ありがとう、健!」
リボンを解いて、わたしは箱を開けた。
「わっ! 可愛いー!」
思わず自分でもびっくりしそうなくらい、わたしは大声をあげた。
うさぎとクマの砂糖菓子。
たっぷりの生クリーム。
金色で『Happy birthday』と書かれた、チョコプレート。
「俺らにぴったりのケーキだろ?」
得意げに彼は言った。
「うん! どこで買ったの? こんな可愛いケーキ」
「別に特別なとこじゃないし、普通のそこらへんのケーキ屋で作ってもらったやつ」
「え、教えてくれないの!? ひどいなぁー」
少し怒ったふりをして言い終わった直後、健はチョコプレートをわたしの口に突っ込んだ。
「ちょっ……。勝手に食べさせないでっ」
「なんでよ、美味くないの?」
じとっとした目線で送る健。
そんな彼が子供っぽくて可愛くて、わたしはぷっと吹き出した。