リビングのソファーの前に座って、テーブルに突っ伏す。
「眠いのか」
「ううん、なんかここ安心して」
「初めて来た場所で、よく安心できるな」
簡単なもんだけど、と言いながら翡翠が炒飯を出してくれた。
スプーンが炒飯に刺さっている。
「おいしそう」
「味の感想をくれよ」
いただきます、と手を併せる。それからスプーンを持って炒飯を口へ運ぶ。
パラパラ、卵とバターのふわりとした香り。
「おいしい」
「そりゃどうも」
「さすが料理人」
「そりゃどうも」
「“そりゃどうも”ボタンがどこかにあるの?」
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