「……私は嬉しいですけど、身体に負担がかかりませんか?」

正直嬉しいけれど、無理をさせて身体を壊してしまったら元も子もない。福島さんみたいな身近なファンが居てくれて、私は飛び上がる程嬉しいの。でもね……、私もこれ以上、二人に甘えたくはないの。

「先生……、私のオタク魂舐めてます?オタクは身を滅ぼしても好きな物を守り抜きますよ。私は先生も先生の作品も大好きだからこそ、お手伝いしたいのです!お手伝い出来なくなったら、寧ろ……、泣きます…」

「福島さん……」

福島さんに面と向かって、一直線に気持ちを伝えられた。私は感動して涙が目尻に溜まった。こんなにも福島さんに作品や自分自身が好かれて居たなんて……!

「カナちゃん、俺達はね、好きで手伝ってるんだよ。だから、遠慮しないでもっと頼りなよ。日本を代表する漫画家先生なんだから、もっと堂々としてて」

「……はい!有難うございます、対馬さん、福島さん。わ、たし……嬉し……すぎ、て……」

二人に感謝の気持ちを伝えたいのに涙が邪魔をして伝える事が出来なかった。二人とは仕事上の関係だけれども、絆は友達よりも深く繋がっているように思う。

漫画家になって一番の幸せは、人気が出た事ではなく、この二人に出会えた事。違う誰かじゃ、晴れて漫画家の道を手に入れても、途中で嫌になって放棄していたかもしれない。

「……ってゆー訳なんで、ネーム見せて下さい!」

「本気で図々しいな、お前は……」

福島さんが私に手を差し出して、ネームを要求する。対馬さんがツッコミを入れて、私が笑う。この下りが好きだから、まだまだ漫画家を頑張って行こう!

改めて宜しくお願いします、対馬さんと福島さん───……