「康平も死んじゃヤダ! 勇くんを追って、アタシを一人にしないで」
 大泣きを始めた朱美を、康平は遅れて強く抱きしめた。熱く、確かに存在する感触に目頭が熱くなる。
「死ぬかよ。……バカッ、これ、俺の血じゃないって」
 再び、康平の目から涙がこぼれた。