すでに花穂は僕の腕の中で意識を手放していた。
「何でだよ……。何なんだよ……っ」
花穂はきっと潜在的には覚えているんだ、兄ちゃんのことを。
だけど、それを全身で拒んでいる。
その事実を聞くのを、知るのを、実感するのを。
「僕に、どうしろって言うんだよ……っ」
それなのに、そんな花穂に真実を突きつけることが本当に正解なのか、僕にはわからない。
ただでさえ花穂がこんな状態なのに、無理に現実を押しつけることで花穂の心が取り返しがつかないくらいに壊れてしまうんじゃないかって思ったら、僕には、真実を告げる勇気がない。
好きなのに、救えない。
大切なのに、傷つけることしかできないのか。
兄ちゃん、僕、どうしたらいいの……?
「何でだよ……。何なんだよ……っ」
花穂はきっと潜在的には覚えているんだ、兄ちゃんのことを。
だけど、それを全身で拒んでいる。
その事実を聞くのを、知るのを、実感するのを。
「僕に、どうしろって言うんだよ……っ」
それなのに、そんな花穂に真実を突きつけることが本当に正解なのか、僕にはわからない。
ただでさえ花穂がこんな状態なのに、無理に現実を押しつけることで花穂の心が取り返しがつかないくらいに壊れてしまうんじゃないかって思ったら、僕には、真実を告げる勇気がない。
好きなのに、救えない。
大切なのに、傷つけることしかできないのか。
兄ちゃん、僕、どうしたらいいの……?