歩き回る彼女の背中は、強がってるだけにしか見えない。

手を伸ばして、ある本を取ろうとする君は
小さいから届かない。


「取ってあげようか?
小さな美織ちゃん」

「な、なんであたしの名前!!」

図書カードで君の名前を、見た。

「図書カード。
美織とか、可愛い名前だね!」

話題は無いか探したら、行き着いたのはーー
"名前"だった。


名前だった。


「うるさいな、関係ないじゃん!」

脚立を、持ってきた美織ちゃんはーー、自分で取る気満々だ。
そこまでして、素直じゃ無さすぎ。