「仲がいいな」とイデアル。


イデアルには家族と呼べるものがいない。
飛行機事故で両親を亡くしたのだ。


ふと長月遥はそれを思い出した。

ケットはイデアルと会話。
インスタグラムやラインがどうとか。

長月遥はケットと同じ部屋で暮らしていた。
部屋にはテレビや共有パソコンがある。

音楽ファイルを思い出す。

それを音楽プレーヤーに転送せねばならないこと。

そして植物研究会のこと。
自然史博物館のこと。

テレビゲームでさえその一つだったのだ。

スイッチによる配信。
ゼルダの伝説。

ケットはゼルダの伝説にハマっていた。

ふと長月遥は孤独感を感じた。
ケットやイデアルがいるのに。

SNSも、だ。

長月遥は気持ちを奮い立たせる。



【セオデンの王が高らかに角笛を吹き鳴らすと、それまで聞いたことがないような大音声が谷中に響き渡った。

セオデンの王は命じた。

「進め進め!捨身の猛勇よ。砕け振るえ!炎と剣ぞ!」】

長月遥は妹のケットのゼルダの伝説のプレイを見る。スイッチだ。

グラフィックが美しい。

【で、矢を射るわけか、とリンクがいった。

「そうなのじゃ」と村長。

リンクは苦労して山の頂上に登る。

そして、リンクは矢を【七つ目の竜】に向けて放つ】