「床に落ちていた化粧道具を開けたら、鏡が光出して…」

「もしかして、これ?」

千輝が落ちていた化粧道具を拾った。

「それです!」

開けて見てみたが何も起こらない。

「何ともないな…」

「とりあえず、ここを出よう」

三人は、部屋を出た。

「次は柏木だ。行くぞ」



湊は鵺とともに青年と戦っていた。

「さすがは鵺。位の高いあやかしなだけある。だが、人間であるお前がなぜあやかしを呼び出せる?」

「貴様に教える義理はない」

鵺は、槍のようなものを取り出して、青年に突きつけた。

「くっ!」

槍を向けられた青年を壁に追い詰めた。

湊は鈴を取り出した。

「お前、邪気から作られたあやかしだな?主は誰だ?」

「答えるつもりはない」

「そうか。わかった」

湊が鈴を鳴らすと、青年は消えていった。

「なぜ主を聞き出さなかった?」

「あいつの手の甲に模様があったんだ。誰かの式神でそいつが命令してたのかもしれない」



「あはは!体中穴だらけだね」

紫音は、肩から血が滲んでいた。

「巫女の道具持ってるから少しは強いのか思ったけど、まだ上手く使いこなせてないね!」

花蓮が弓矢を放った。

「なっ…」

少女が油断していたところを狙った。

矢は少女の胸に刺さった。

少女の体から白い光の粒が出て消えていった。

「消えた…」

花蓮かホッとしたとき、紫音が膝をついた。

「紫音!」

花蓮は紫音に駆け寄った。

肩だけではなく他のところにも傷があった。

花蓮が肩に触れると、手に血がついた。

「あ…」

そのとき、花蓮の脳裏に幼馴染と飼い猫を失った時の記憶が蘇った。

花蓮の手が震えた。

「大丈夫だ」

花蓮の震える手を、紫音が握った。

「紫音…」

「早くみんなと合流するぞ」

花蓮と紫音は立ち上がった。



結奈と天音は、青年との戦っている最中だった。

「さっきまでの勢いはどうしたの?」

青年が嘲笑ってきた。

霊力をかなり消耗していた。

「結奈、次で終わらせてないと体力が持たなくなる。私の合図に合わせてくれる?」

「うん。わかった」

天音が結奈を見て言った。

結奈は息を切らしながら頷いた。

天音と結奈が構えた。

結奈が笛を吹いて、天音が扇子を広げた。

すると周りには、青白い玉が浮かんだ。

「何だ?これは…」

青年がそれに触れると、体から白い光が出てきた。

「しまった!」