目が覚める。鏡の図書館に来ていた。神楽さんがいる。本は宙を舞って、元いた本棚へ帰る。
梵「《想い》はどうでした?」
知佳「とっても面白買ったです。あの本は、どこで買えますか?」
梵「残念ながら、貴方の世界のものではないので買う事はできかねます。」
知佳「そうですか。また借りてっていいでしょうか?」
梵「残念ながら。」
知佳「ダメなんですか?」
梵「はい。この鏡の図書館は、借りる時と返す時。この2回しか利用出来ないのです。誠に申し訳ありません。」
知佳「残念だけど諦めます。」
梵「ありがとうございます。貴方はあの本で前を向けましたか?」
知佳「それはもう。」
梵「そうですか。一つ注意点が。ここでの記憶は、現実世界にいけば消えます。しかし、貴方の前向きな気持ちはそのままです。」
知佳「そんな……。嫌です。覚えていたい。本の内容も、梵さんの事も。全部。」
梵「ありがとうございます。嬉しいです。では、さようなら。」
悲しい事に意識は遠のく。