「よし、そろそろ行こっか。」
 そう言われ、私は歩ちゃんと教室に向かった。
 
 途中、いくつもの教室を通りたくさんの生徒を見るたびに
『やっぱり行きたくないな・・・。』
 とか、
『みんなにどんな目で見られるのかな・・・。』
 といろんなことを考えてしまったけど、隣を歩く、歩ちゃんの決意の込められたようなまっすぐな目を見て
何も言えなくなった。
 本当に歩ちゃんはすごい。
 なんでこんなに弱音を吐かないで、まっすぐ前を向けるんだろうって、どうしたらそんな強い心を持てるんだろうって
不思議に思った。
 そして一つ、聞きたかったことを私は思い出した。
「ねね、歩ちゃんは今日の朝なんで会議室Aにいる私のところに来たの?」
 すると歩ちゃんは
「あー、それはね・・・」
 と言って私のほうを向き、
「実は保健室に先生が入った時、みんなと顔合わせるのが怖くて先に保健室に行こうと思って、私も向かったんだよね。
 そしたら、中から”優笑⁉”って声が聞こえて、盗み聞ぎしようとして保健室の前に立ってたら二人がどっかに向かうことに
 なって、私も気づかれないようにしてついていったんだ。
 それで、様子見てて・・・我慢できなくて出てきちゃったっていうね。」
 と『テヘッ』という効果音がつきそうな感じでベロを少し出して笑った。
 だけど急に真顔になって
「でも今思えば、あの時保健室に行こうとしてよかったって、先生と優笑について行ってよかったって思ってるよ。」
 そう言いだしたと思ったら
「優笑を助けられてよかった!」
 って優しく笑ってくれた。
「ありがとうっ!すっごく助かったよー!」
 そう笑顔で私は返した。

 教室に入ると一瞬にして私たちに目線が集まった。
「あはは・・・。見られるってわかっててもここまでくるとちょっと怖いかもね、」
「うん。確かに怖い。」
 と二人で少しの恐怖を覚えつつも席に向かった。
 すると・・・驚くべきことにあのたくさんの悪口の書かれた机は跡形もなく消えていて、その代わり新しい机が
置かれていた。
『誰がやってくれたんだろうか。』
 そう思いつつもありがたく、きれいな机を使わせてもらおうとした。
 すると、隣から
「ねぇねぇ、先生が”机にはいろんな言葉が書かれていて、残酷なものになっている。”って言ってたけど
 見当たらないって、どういう事?」
 と聞いてきた。
「あくまで私の予想だけど、多分先生か誰かが取り替えてくれたんだと思う。」
 そう答えると、
「そっか。」
 とほっとしたような言葉が返ってきたので、安心した。
 
 ―――――でも、現実はそんなに甘いことが続くはずもなかった。

 昼休み。
 私と歩ちゃんはいつものようにグループで集まろうとした。
 だけど・・・
「ごめん、多分二人と一緒にいるとうちらまで巻き込まれると思うから、もう近づかないでもらってもいい?」
 と言われてしまった。
「ううん。やっぱそうだよね、ごめん。」
 と歩ちゃんはその場では何ともないかのようにふるまっていたけど、その場から離れ、見えなくなると
「なんでこうなるんだろう。」
 って、へなへなとその場に座り込んでしまった。
「私のせいで仲いい子と、友達関係悪くしちゃってごめん。」
 そう謝ると、
「ううん、気にしないでいいよ。」
 と、いつもみたいに返されてしまう。
『でも本当はこんなことにまでなったのに大丈夫なはずない。
 私が我慢させちゃってる。
 本当はどんなことを考えていて、どんな思いをしているのかを知りたい。
 そして、私が慰められたように、今度は私が歩ちゃんを慰めたい。
 どうすればいいんだろう』
 そうして私はいろいろ考えたけど、いい感じの言葉は見つからなかった。
 『あぁ、やっぱり私は肝心な時にうまく言葉が出ないんだな。
 なんで出ないんだろう。
 悔しい・・・。
 こんな人を”できそこない”っていうんだろうな。』
 ・・・・・・・。
 いろんなことを考えて、いつの間にか沈黙になっていることにようやく私が気づいたころ、
「また何か考え込んで、マイナスなこと考えてるんじゃない?」
 そう歩ちゃんに言われてしまった。
「その通りです・・・。」
「あははっ!やっぱりか!」
 そうやって、歩ちゃんは心の中は明るくないはずなのに明るく笑った。
「優笑はさ、いつも、もっと心から笑おうとして、何か楽しい気持ちになれるようなこと考えたら?」
 と言ってくれた。
 ・・・・・そういう事か。
 なんか、ずっと聞きたかったこと、知りたかったことが急に分かったような気がした。
「歩ちゃんがいつも強いのって、そうやって何か”そうなりたい!”って思うためになにかそれに合ったことを
考えているから?」
「私は自分が強いとは思わないけど、まあ一応そういうことかな。」
 そっか。そういう事だったんだ。
「なんか歩ちゃんのおかげで、これからどうにかしていけそうな気がしてきた!」
 と私もよくわからない自信が出てきた。
 
 それから私と歩ちゃんはいつも二人だけで過ごすようになった。
 たまにふっと、『周りからはどんなふうに思われているんだろう。』って思ったり、時々緑ちゃん達にいやなことを
させられたけど、どうにか気持ちを切り替え、何とか毎日しっかりと過ごせていた。
 そして気づくといつの間にか私と歩ちゃんは
「二匹オオカミ」
 と呼ばれるようになっていた。
 歩ちゃんは
「このあだ名、めっちゃかっこよくない⁉」
 と嬉しそうだった。
 私も、『オオカミさーん』と馬鹿にされつつもひそかにこのあだ名が気に入っていた。

 そんな中、私たち一年生にはある行事が迫っていた。
 それは”校外学習”だ。
 私にとっては乗り越えないといけない壁のように感じていた。
 
 もちろん校外学習自体は入学当初からものすごく楽しみで、今も楽しみなことには変わりない。
 ただ・・・
「それではこれから一緒に回っていくグループをつくっていくぞー。」
 そう、この校外学習は五人のグループ行動なのだ。
 それが、『二匹オオカミ』と呼ばれている以上、すごく大変な問題だった。
 どんなことが起こるかというと、
「二匹オオカミとは同じになりたくないよな。」
「うん。ほんとそれだけは勘弁だわ」
 とまあ、私達とは同じグループにみんななりたくない人が多く、ほぼ百%の確率で同じグループになった人にいやがられ、
いくらポジティブになったとしても、グループの子は楽しくなれないと思う。
 そんなこんなで、嫌な予感はしていた。
 でも、これを”不幸中の幸い”というにふさわしいのではないかと思うことが起きた。
 それは
「歩ちゃん!」
 奇跡的に歩ちゃんと同じグループで
「今回は久しぶりによろしくね、みんな」
 と、前までグループだったみんなが揃ったのだ。
 私的にはまた仲良くなれるのではないのかと思った。
「あー、うん。よろしく。」
 でも、二人と私たちの間にはやっぱり見えない壁がまだ立っていた。

「グループ決まったから、行くところ発表するぞー。」
「今年の一年が行くのは・・・・・・・
 水族館でーす!」
 そうやって、先生から行き先を発表された。
 これから、さっきのグループで集まってグループ行動の計画を立てるそうだ。
「水族館、まぁまぁ当たりの行き先じゃない?」
「うんうん。だってたまに牧場とか行くところもあるらしいしね。」
「牧場⁉それはさすがに嫌だわ。」
 などと四方八方から嬉しさのにじみ出たこえが声が聞こえてくる。
「水族館、めっちゃ楽しみだね!
 イルカみたいなー!」
 と、隣の歩ちゃんもきらきらとした目ですごくうれしそうだった。
 さっそく、クラスの人がグループで固まり始めた。
「私たちも集まろっか。」
「だね、」
 そうして私たちがもう集まり終わっていた他のメンバーのところに行き、話し合いを始める。
「みんな、どこ行きたい?」
「食べたいものとかでもいいよ!」
 そうして、私が話をふったが、
「・・・・・・、」
「・・・なんでもいいよ。」
「二匹オオカミで決めていいよ。
 うちら合わせるし。」
 といって、気まずい沈黙が流れた。
「って言ってもだよ、せっかくの校外学習なんだからさもう少し、みんなの意見出し合って決めない?」
 いつもならその沈黙が流れたら私は黙っていたと思う。
 だけど歩ちゃんがいてくれるおかげでそう言葉を出せた。
「例えばさ、一回、五分くらい時間つくってさ、行きたいとこ、一人三以上考えるとかさ!
 ・・・どう、かな?」
 今度は歩ちゃんもすごくいい意見を出してくれた。
「うん!いいと思う!ほかのみんなは?」
「・・・うん、それならいいよ。」
「た、たしかにそうしてくれるとありがたい、かな!」
「賛成。」
 そうやって、やっぱりぎこちないけど、賛成してくれた。
 歩ちゃんが紙を出してくれて、たくさんの”行きたい場所”がでてきた。
 今回はバランスよくみんなの行きたいところに行きたい。
 だから、みんなの行きたい場所をまとめてみた。
「見た感じ、イルカショーと売店とペンギン広場のところに行きたい人が多いからまずはそこの三つ、行くでいい?」
「うん。私はいいよ!」
「同じく。」
 とそこからは最初よりもぎこちなさが消えて、少し前のように戻れてきた気がした。

 ―――――迎えた校外学習当日。
 結局行くのは
 イルカショー、売店、ペンギン広場、熱帯魚や大型動物の館といういろんな生き物をめぐれるところ
 の計四つの場所に行くことになった。
 天気は雲一つない快晴だ。
 ・・・と言いたいところだったが、残念ながら今日は青い空に白いわたあめみたいにふわふわな雲の浮かんでいる。
「雲はあるけど、気持ちのいい天気でよかったよね!」
「ハハハ!私もおんなじこと考えてた!
 ほんとに晴れてよかったよね!」
 と同じことを考えていたらしい歩ちゃんと話が盛り上がった。
 そして私達はバスに乗りながら水族館を目指した。

 バスに揺られ続けること約五十分。
 あと十分で水族館に着くというところで
「海だ!」
 と誰かが声を上げた。
 みんながつられて、窓の外を見る。
 そこには真っ青な、ぴかぴか輝いてる海が見えた。
「きれいだね!」
「うん。たしかに。」
「私、海みたの久しぶりだなー」
 そう一気にバスの中が賑やかになった。
 歩ちゃんも
「こんな景色が見えたらなー」
 と、うっとりした表情で海を眺めている。
「私たちの学校とか家の周りは”ザ、街"って感じで家しか見えないもんね。」
 そういって私は私の家の周りを思い浮かべた。
 
 そんな感じで海の話で盛り上がっていると、
「もう少しで水族館に到着だぞー。
 荷物まとめとけー。」
 と先生の声が響いた。
 すると途端に、
「よっしゃー!やっと着いたぜ!」
「んー。座りすぎて疲れたー、」
「はやくシャチに会いたいなー!」
 と、海の話題から水族館の話題へと移り変わった。
『水族館、最後に来たのはいつだっけ。』
 と頭に残っている記憶の中の、水族館についての出来事を思い出してみる。
 すると、一つ小さいときに来た時のことを思い出した。

 あの日は、碧唯が入学したときに、お祝いとしてエイが大好きな碧唯にサプライズで行ったときのことだ。
 碧唯は水族館に着くと、ものすごく目を輝かせて嬉しそうに笑いながら
「お母さん、お父さんありがとう!」
 といった。
「エイ、いるんだって!」
 そう私が水族館のことを話すと
「本当に⁉
 やったぁ!
 そしたら、一番最初に見にいこうよ!」
 といって喜んだ。
 水族館の入場ゲートを通り、碧唯の言う通りにまずエイのいるところに足を向けた。
「うわぁ・・・!」
 そこには大小さまざまな大きさのエイが気持ちよさそうに泳いでいた。
 私もエイはそこまで好きじゃなかったがそのエイたちを見た瞬間、とりこになった。
 私が
「エイの、この裏にある目がめっちゃかわいいね!
 私、エイがこんなにかわいいってこと知らなかった!」
 そう碧唯に話すと得意そうに
「でしょ!エイはかわいいんだよ!」
「でもね、お姉ちゃんがかわいいって言っている目は、本当は目じゃなくて鼻の穴なんだよ!」
 と説明してくれた。 
「そうなんだ!そんなことまで知ってるんだね!
 私、びっくりしたよー。
 碧唯はすごい物知りだね!」
 すると碧唯は嬉しそうに
「へへへ」
 と笑った。
 そのあともいろんな生き物を見て満喫していると碧唯が
「このエイ、欲しい!」
 といって一つのちょうど枕になりそうなぬいぐるみを指さした。
 でも・・・それはくじ引きの景品だった。 
 お母さんも、お父さんもそのことに気づき碧唯をなだめようとしたが、
「やだ。このぬいぐるみもらうまでここから離れない。」
 といいだし、わがままをいった。
「でもね、これはくじを引をひいて当てないともらえないのよ」
「そしたらそのくじ引きやる。」
「んー、でも当たるかわからないのよ?」
「それでもいいからやりたい。」
 そんな会話が続き、とうとう一回だけ、『はずれでも泣かない。』という約束のもとくじを引くことになった。
「優笑も碧唯だけだとあれだから、やってもいいぞ。」
 そういって私も一回やらせてもらうことになった。
 私も実は、碧唯の欲しがっているぬいぐるみとは別の、小さいエイのぬいぐるみが欲しいと思っていたので
ありがたくやらせてもらう事にした。
「最初僕からやるね。」
「うん。どうぞ!」
 そんな会話の後、碧唯は白い箱の中に手を入れて”パっ”っと一つの紙切れを取った。
 そしてすぐに中に書いてある文字を私たちに見せた。
 ”ノート”
 中にはそう書かれていた。
 何がもらえるのか確認すると、イルカの絵やペンギンの絵などが描かれているノートだった。
 碧唯はまだ文字が読めない。
 だから、
「エイのぬいぐるみもらえる?
 ねぇ、どう?どう?」
 そうくじの結果を問い詰めてきた。
「ノートだって。」
 そう言って、もらえるノートを指さした。
 碧唯は泣かないという約束でくじを引いたものの、悔しかったのか泣き出してしまった。
 私はそんな碧唯を横目に、くじを引いてみた。
 適当に一番上のほうにあったくじを取った。
 そして中を開くと・・・
 ”ぬいぐるみ”
 と書かれていた。
 すると、店員さんが
「おめでとうございます!
 ぬいぐるみでしたらここから選べますよ!」
 といって教えてくれた。
 そこには、私の欲しかったぬいぐるみと、碧唯の欲しがっているぬいぐるみがどちらも置かれていた。
『碧唯には悪いけど、私は欲しかったぬいぐるみにしよう。』
 私はそう思い、小さいエイのぬいぐるみに手を伸ばした。
 すると、横からスッと手が出てきて、あの枕になりそうな大きさのエイのぬいぐるみを取っていった。
 私は自分の手を止め、横から出てきた手が誰の手なのか確認した。
 ―――――その手は碧唯の手だった。
 お母さんは碧唯が欲しがっていたぬいぐるみを手に持っているのを見て
「それは当たらなかったのよ。
 だから返しなさい。」
 といった。
 でも碧唯は
「お姉ちゃんが当ててくれた!」
 そう言い放った。
「あら。本当にそうなの優笑?」
「えっ・・・
 ぬいぐるみとは、書いてたよ。だk・・・」
 私は”だけど・・・私はこっちのぬいぐるみが欲しいんだ。”と言おうとした。
 だけど、
「あら!本当にそうなのね!
 よかったじゃない碧唯!」
 というお母さんの声に止められて言えなかった。
 そしてそのまま私は言い出せず、碧唯にゆずった。
 でも、本当はゆずりたくなかった。
 せっかく自分の欲しいものが当てられたから欲しかったし、なにより私が当てたのに景品を取られたのが悔しかった。
 
 そんな嫌な思い出だ。
 私は、これから楽しもうというときに思い出してしまったことを後悔した。
 でもすぐにさっきの昔の思い出を新間の隅に追いやり、気持ちを切り替えた。

 点呼を取り、各グループごとに水族館に散っていく。
 私たちもほかのグループの流れに沿って、入場ゲートを通り、中に入った。
 そこには私の記憶の中の水族館とは全くの別物ののように何もかもが変わりはてた、すごくおしゃれな光景が目の前に広がっていた。
 それはみんなも同じだったみたいで、
「なにこれ。おしゃれすぎない⁉」
「ほんとにそうだよね。このレベルまでくると、映えスポットしかないよ。」
「・・・たしかに。スマホ持ってきたかったな。」
「「「ほんと、それはいえる!」」」
 と話している。
 でも本当に、すごい。
「「はやく中が見たくなってきた。」」
 私がそういうと、隣にいた歩ちゃんとハモった。
 すると、
「たしかに!中も見たい!絶対すごいもん。」
 と声が聞こえた。
 なので私たちはまず”熱帯魚や大型動物の館”に向かった。
 そこはやっぱり外見を見て私たちが想像していた通り、ものすごくおしゃれだった。
「やっぱり、すごいね。」
「うん。めっちゃおしゃれ。」
 そう感想を言った後、私たちは目の輝きを一回も失うことなく建物を回っていった。
 そして次は”イルカショー”と”ペンギン広場”に行った。
 イルカショーはものすごく迫力があったし何よりイルカがかわいくてほんとに癒された。
 そしてあとは、歩ちゃんがイルカを見てからオタクのように豹変したことにはさすがに驚いた。
 でも、本当にイルカが好きなことはたくさん伝わった。
 ペンギン広場では、たくさんのペンギンが気持ちよさそうに泳いだり、お魚をおいしそうに食べていて
私までお腹がすいてしまった。
 ・・・ということで私たちは最後に売店に向かった。
 ”中学生なので、”ということで私たちは一人三千円まで持ってきていいということだったのでお昼ご飯を買ったり、
お土産を買ったりするのだ。
 私は、まずお昼ご飯を買うことにした。
 ”カレーはイルカ?”という、なんとも突っ込みずらい名前のカレーと、
 ”クラゲラーメン”という、すごくカレーと比べるとものすごくシンプルな名前のラーメンで迷ったが、
結局、名前の面白さにつられて、”カレーはイルカ?”を注文した。
 カレーは、イルカの形のしたご飯とやや辛めのカレーで、ものすごくおいしかった。
 そして、そのあとみんなでおそろいのイルカのキーホルダーを買った。
 今思えば、私は売店でイルカ関連のものしか買っていなかった。
 そんなこんなで時間はあっという間に過ぎていった。
 そして帰りのバス。
 私はいつの間にか、また仲良くなっていたグループで話しながら
『本当に水族館にこのグループで行けて、しかもまた仲良くなることができてよかったな』
 と思っていた。