口の中の水分を、ぱさぱさのブロックに全て吸い取られる。思い切ってそのまま飲み込むと、案の定喉に詰まった。慌ててお茶を流し込む私を見て、トーヤが呆れ果てている。
「ジルの言葉がこんなにしっくりくるのは少し癪だが。君は本当に、勉強以外のことはポンコツだな」
「ポンコツ……。もう言われ慣れたわ。私は頭でっかちなポンコツよ」
 涙目になりながら咳き込んでいてもお構いなしに厳しい言葉を投げつけられる。悪いのは私ではなく、こんなものを主食にしたこの世界だというのに。
「ほんと、トーヤは変わってないわ。昔から高慢で意地悪で。結局ちょっと謙虚だったのは、ママに出会ってすぐの頃だけよね」
「やめるんだ、その話は。今すぐ忘れるんだ」
「残念でした。今ちょうど、出会ったときのことを思い出していて、それで喉に詰まらせたのよ!」
 我ながら何を得意げに言っているのだろう。自分で口にしておきながら、馬鹿馬鹿しくて思わず笑いが込み上げる。
「あの頃のことは忘れてしまいたいし、君の記憶からも抹消してしまいたい。二年も早く生まれた俺が、学力であそこまで優劣をつけられていたなんて、今でも許し難いことだよ……」
 私たちとトーヤが出会い、母が勉強を見てくれるようになった頃。私たちの学力には大きな差があった。当時、五歳の私は数学で言えば微積分を。七歳のトーヤは一次関数をそれぞれ学習していたと記憶している。でもそれは、色んな要因から考えても、仕方のないことだと誰もが口を揃えることだろう。
「遺伝子や、指導者のせいにはしたくない。ただ俺の努力不足だった。ただそれだけなんだ」
 そう言うトーヤを見て、どうしてあの時、ジルに二人は知り合いなのかと尋ねられた時、幼馴染と答えなかったのかを理解した。カレッジで私に学年を抜かされたことも、彼にとってはさぞ癪に触ったことだろう。しかし二つを天秤にかけた結果、まだ元同級生と言う方が彼のプライドは傷つかなかった。それほど、彼にとって幼い頃は辛い思い出だらけなのだ。
 トーヤは昔から、傲慢ではないが、高慢である。どこまでも高いプライドが、彼のアイデンティティを形成していると言っても過言ではない。
「あなたが優秀だってことは誰しもが、ジルだって認めてるんだから、もういいじゃない」
 空になったカップをいつものようにトーヤに差し出すと、彼は早々にそれを片付けた。いつもなら黙っておかわりをくれるのに。
「何よ、くれないの?」
「もう終わりだよ。今から医療センターに行く。それで君を探していたんだ」
 結局、私に思い出すなと言ったその場所へ行くんじゃないか。と思いつつも、決してそれを口にはしない。そこには今も変わらず、彼の母が入院しているのだから。
「いつもの面会?」
「……今日で、最後になるね」
 トーヤの母親の病状がそんなに悪いとは聞いていない。私の母がトーヤの勉強を見るようになってから、母は彼の母親に挨拶へ出向いた。そこから母親同士の交流が続いているが、トーヤの母親の病状は安定していて、このままずっと、おそらくは、死ぬまで、センターの中で過ごすのだろうと母は言っていた。
 トーヤの母だけではない。医学と科学の進歩により、不適合の症状は新たに発症する者を減らすことはできないが、発症しても、限られた再現室の中であれば、本来の寿命を全うすることができるようになっていた。
「ジルから聞いていないのか。……今夜、医療センターの入院患者が先駆けとなって、眠りにつく」
 眠り。それは、人体を低温状態に保ち、時間経過による老化を防ぐ技術。コールドスリープを意味していた。
「再現室を維持するのも、かなり難しい技術が必要だと聞くからね。それならば、先に眠ってもらおうという判断だ」
「医療センターの職員は、ノアの計画を知っているの?」
 と、聞いた後で思い出す。
「あ。ジルは医学会の第一人者だったっけ。ということは、とっくの昔に医療センターは、彼の配下ということね。説明なんて必要ない」
 地球の地下に九ヶ所ある居住区は、それが作られたときに第一から第九までの番号を振られた。その数字に優劣はなく、ただの識別番号にすぎない。
 ジルたちの計画は私が想像していたよりも、もっとずっと、遥かに進んでいた。星間移民のための宇宙船は私が生まれた頃には完成していたと言うのだから、その計画の壮大さを改めて思い知らされる。
 その船は現在地球の裏側、第一居住区にあるという。肉体を保存するための特別な箱にそれぞれ入り、眠りについた第一区の人々がきちんと船の中に収納されてから、船は地下航路を使って第二区へと向かう。
 そうして順番に残された地球人たちを全員収納したあと、船は最後にここ、第九居住区から長い旅に出るのだ。
「今日は母に別れを告げにゆくのではない。むしろこれは祝福だよ。目覚めたときにはやっと、何の隔たりもなく会うことができるようになるのだから」
 僅か七歳で母の温もりを失ったトーヤにとって、この計画の成功は本当に悲願なのだろう。
「それでだ。君も一緒に行かないか? 母も前々から会いたがっていてね」
「もちろん、行くわ」
 計画は成功すると信じている。それでも、この星で会えるのが最後なら。きちんと送り出そうと、私は黒い瞳を見つめて頷いた。

 地下の世界に居住地を移した人類だったが、そこはやはり人間にとって適した環境ではなかった。当時の技術をもって、最大限に地上と同じ環境を作り出し、人類の新たな歴史が始まったと思いきや、原因不明の奇病が多くの人々を襲ったのだ。
 エデン・ロスト。地上での大爆発と環境汚染により、全世界の人口は数パーセントにまで減少していたのだが、この病によって更に人類の数は半分以下になった。
 地下の環境が身体に合わない人々は、この病を発症すると多臓器不全を起こし、やがて死に至る。その病を発症した者たちは不適合者と呼ばれ、それぞれの居住区にある医療センターに集められていた。そして、地上世界に限りなく近い状態を作った空間で、終わりの見えない長い療養生活を送っている。
「再現室、お母さんが発症したときに間に合って、本当によかったよね」
 医療センターへ繋がる移動通路は、相変わらず人通りがなく、とても静かだ。
「父親のときは、弱っていく姿をただ見ていることしかできなかったらしいからね」
 不適合の体質は遺伝すると、近年医学会で報告が上がっていた。両親共に不適合者であるトーヤも、いずれは発症していたのかもしれない。
 だから彼は、母を助け、自分を守る為にジルを探し求めたのだろうか。他人が無闇に踏み込んではならない領域だから、尋ねることはしないけれど。
「前に来たのはトーヤが在学中だったから、本当に一年ぶり。その間にまた増築したみたいね」
 センターの奥へ奥へと、移動通路は私たちを運んでゆく。母が再現室の建築に関わったときと比べて、随分とここは様変わりした。広さが倍以上の大きさになっている。
「患者の数は日に日に増えているにも関わらず、原因療法も対処療法も確立されていないんだ。発症したが最後、ここで延命を行う他に方法はない。そして致死率は大幅に減ったとなれば、大きくもなるだろう」
 今までは死にゆく定めだった者が、収容されて生き存える場所。
「こんなところに入れられるなら、死んだ方がマシだ」
 小さな呟きは、聞こえなかったことにした。
 その空間は、扉が何十にも施されており、たとえその中に家族が居たとしても、立ち入ることは許されない。その代わりに面会室が設置されており、厚さが十センチを超える、音も通さないガラス越しにのみ面会が許されていた。
 面会室の入り口に設置された端末を使い、トーヤが慣れた様子で入室の手続きをしていると、数人の医療センターの職員たちがやってくる。
「ドクター・トーヤ。いよいよだね」
「ドクターはやめてくれと言っているでしょう。昔のようにトーヤと呼んでくださいよ」
「いやぁ、あのトーヤ君がこんなに立派になるなんてね。長年見守っていると、まるで君のことを息子のように思ってしまう」
 一番年上の男性が、慈しむようにトーヤの肩に手を置く。トーヤはカレッジに入学する前から、もう十年以上もここに通っているのだから、付き合いの長い職員も多い。
「おや? 今日は彼女を連れてきたのかい? 君も隅に置けないな。エミも喜ぶだろう」
 そして皆の視線が私に向けられた。彼女、とは、昔の小説によく出てくる、恋人関係にある女性を呼ぶ言葉。彼らは、私とトーヤが恋愛関係にあると勘違いしている。
「彼女だなんて、そんなまさか。こちらはあの、ドクター・ハヤセの御息女ですよ」
 軽口のつもりで言ったのであろうその男性は、はっと口を閉ざす。ブレインの間に上下関係はない。ましてや私はまだただの学生に過ぎないにも関わらず、彼は私に頭を下げた。
「第八居住区筆頭に就任した、あのドクター・ミナト・ハヤセの娘さんとは。知らなかったとはいえ、失礼なことを致しました。また、ドクター・ハルナ・ハヤセにはこちらの建築にあたって多大なるお力添えを頂き、」
「待って。今、あなた何て? パパが、筆頭?」
 思わず彼の言葉を遮って問う。そんな私に、唖然とした顔をしたのは目の前の男性だけではなかった。
 どうして私だけがそれを知らないのか。それを一番知りたいのは当然私だ。そんなときにハッと思い出したのは、ジルに初めてあった日、何気なく見たニュース記事に載っていた、第八区の筆頭ブレインが近々交代する旨の記事だった。考えてみればあれ以来、ろくに端末も起動せず、ひたすら読書に明け暮れていた。 
「ああ、もうこんな時間か。すみません、ドクター。俺たちは母に会ってきます。あなた方も、あちらの準備が忙しいでしょうから、これで」
 咄嗟に察したトーヤが私の肩に手を回して歩を進め、センターの職員たちの目から庇ってくれたのがわかった。私も軽く会釈をして、その場をやり過ごし、目の前の扉の中へと進む。
 ドアを閉めて、面会のためのガラスに施されたシャッターを閉ざしたまま、二人だけの空間になると、大きな大きなため息が聞こえる。
「マユ。ミナトさんやハルナさんからの連絡は本当に来ていないのかい? まぁそもそも、これだけ大々的にニュースに取り上げられているのだから、誰しもが知っていると思うのは仕方のないことだ。それがまさか、実の娘が知らないなんて、誰が想像できただろうね」
 全くもって、トーヤの言う通りである。私は浮かれていたのだ。ジルに会って、トーヤに再開して、その壮大なプロジェクトの一員になって。
「……ここ最近ずっと、端末を起動さえしてなかったの。メッセージ、届いてるのかもしれない」
「やれやれ。どうせそんなことだと思ったよ」
 耳に埋め込まれた小型端末は外すことがないため、音声通話が入れば必ず気付く。余程のことがあればそちらに連絡が来るはずなのに、それがないということは、両親はきっと通話一本入れることすら難しいほど忙しいのだ。
「まぁ、君の近況やら何やらは、我らの代表が小まめに連絡を入れてくれているから、ご両親も安心していることだろう。……しかし、今からこんなに浮かれていては、後が心配だよ」
「はい。トーヤの言う通りです」
 一緒に過ごしていたのは幼少期の五年と、カレッジでの一年だというのに、こんなに見事に見透かされているなんて。トーヤの洞察眼は鋭い。……というよりも、私が単純すぎるのだろう。きっと。
 あまり失敗をした経験がないと、些細なことを気に病んでしまう。項垂れていると、部屋の中に無機質な音声アナウンスが流れた。
「お待たせ致しました。ナンバー四一六。エミ・ニシムラ。面会準備が整いました。
 勢いよく顔を上げ、表情を作る。私がこんな顔をしていてはだめだ。これから、いつ目覚めるかわからない眠りにつく人を前に、不安を煽るような行動をとるわけにはいかない。
 私の顔を見、安心したような柔らかい表情を浮かべたトーヤがタッチパネルに触れる。閉ざされていた金属のシャッターが軽い音を立てて開く。
 百年以上前に作られた地下の世界を照らす擬似太陽も当時の人々の叡智の結晶だが、再現室の明かりは現代の最新技術により更に太陽に近いものとなっていた。光が差し込むだけで、部屋の温度が上がったように感じる。
「あら。マユちゃんじゃないの! 久しぶりねぇ。またお母さんに似て美人さんになって」
 そこは到底病院内とは思えない、木々や花々に満ちた空間だった。小川が流れ、地面は主に芝が生えている。さながらそれは、偽りの楽園だった。
 そんな空間に、ぽっかりと穴が開いたようにこの分厚いガラスが埋め込まれ、中の人々とガラス越しに面会が叶うように作られている。
「トーヤママ、お久しぶりです。自分ではあまり変わってないと思うんだけど、少しは大人になったのかな?」
 トーヤの母は、いつも笑っていて、世間話や噂話が好きで。ブレインである私の母とはタイプの違う女性だった。こんな閉ざされた空間でも、私は彼女の顔から笑顔が消えたところを見たことがない。機械越しのその声も、いつも明るくて快活だ。
「髪の毛が伸びたからかしら? そうしてトーヤと二人でいると、まるで恋人同士みたいよぉ」
 私たちは顔を見合わせて、同時に苦笑いをした。
「母さんたちの時代には、まだ恋愛という概念が辛うじて残っていたからね。かつての女性たちは、こういう色恋話に花を咲かせていたと聞くよ」
「ふふふ。だって、楽しいじゃない? 人の話を聞くだけでもドキドキするわ。それなのに、今は本当に、つまらない時代になったものよね」
 彼女が言うのは、例の政策のことだ。私はかつての女性たちが楽しんでいたという色恋話が、全く理解できない。人類にとっての楽しみがその政策によって奪われたのは確かなのだと、こうして実際にその時代を生きてきた人から聞くと、やはりそれは良いことばかりではないのだと感じることができた。
「生まれたときには既にそういう時代だったから、俺たちにとってはこれが普通なんだ。それに、確実に優れた遺伝子を持った子どもが作れるなんて、良いことしかないんじゃないかな?」
「それでも、あんたはごくごく普通の父さんと母さんから、こんなに立派な研究者になったわ。母さん、それが本当に嬉しいの」
 そうして誇らしげな顔でトーヤを見つめる。早くこんな分厚い隔たりを取り払って、直接会わせてあげたい。二人の様子を見ながら、心からそう願った。
 そのとき、耳の小型端末に着信が入り、相手が誰かを確認する。
「ママからだわ! えっと、」
 出て良いものか、二人の顔を見ると、
「ハルちゃんから? 丁度いいタイミングじゃないの! ここで出ちゃいなさい」
 トーヤの母の嬉々とする様子に一瞬躊躇いながらも、私は通話のスイッチを押した。
 端末をスピーカーモードに設定してから問いかける。
「もしもし? ママ?」
「マユ? あなたどうしてメッセージを見ないの! どうせあなたのことだから、ずっと本ばっかり読んでたんでしょう? まったく、こんなことで浮かれているなんて、あなたはまだまだ一人前のブレインとは言えないわよ!」
 これを聞いているのが私だけではない、なんてことはつゆ知らず。母は息継ぎもせずに言い放った。
「ハルちゃん、相変わらず厳しいわねぇ! もうマユちゃんも大人なんだから、そこまで親が干渉する事ないわよぉ」
「えっ? その声、エミさん? 何で、聞いて、ちょっとマユ! 説明しなさい!」
 2人のやりとりにトーヤがやれやれと呆れたように肩をすくめる。
「今、センターに面会に来てるの。ごめん、トーヤもこれ聞いてる」
「そういう事は最初に言いなさい! ……でも、丁度よかったわ。エミさんの声が聞けて。わたしたち、最近忙しくて忙しくて、エミさんに挨拶に行きたくても行けなくって」
 私の母がまだ第九区にいた頃は、再現室の管理に関わっていたこともあり、トーヤの母とは親交が深かった。母がトーヤの勉強をみることになり挨拶に行った際は、母のことをまるで女神でも見るかのように、泣きながら何度も何度も深く頭を下げていたのが印象に残っている。
 母一人子一人で生活していたところを、突然幼い息子一人残して自分が入院をすることになってしまったのだ。著名なブレインである母とトーヤが出会えて、トーヤの母には本当に、私の母が女神に見えたのかもしれない。
「八区に行ってからは、本当にプツリと会えなくなって、あたしも寂しかったよ。それにお礼もまだ言えてなかったしね」
「お礼? トーヤの面倒を見ることになったときも、トーヤが統一試験に合格したときも、あんなに大袈裟に泣きながら、ありがとうありがとうって何度も言ってくれたじゃないの」
 他に礼を言われるようなことは何もしていないわ、と母が笑うのに対し、今まで笑顔を絶やさなかったトーヤの母が、真面目な顔付きになる。
「ハルちゃん。あたしと出会ってくれてありがとうねぇ。こんな立派な学者さんが、あたしみたいな普通の人間を対等に扱ってくれて。あたしに生きる意味を与えてくれて、本当にありがとうねぇ。子どもらには悪いけど、これであたしは心置きなくゆっくりと眠れるよ」
「エミさん……」
 いつも凛として、毅然としている母の声が震えているのを聞いたのは、これが初めてかもしれない。
「俺からも、改めて、ありがとうございます。第八区の筆頭、お二人共忙しいとは思いますが、くれぐれもお気をつけくださいね」
「トーヤもありがとう。……エミさん、良い夢を」
 トーヤの母は鼻をぐずぐず鳴らしながら、何度も頷く。音声通話なのだから届かないと分かっていながらも、言葉にならないのだろう。
「マユ」
「はい」
「パパとママ、大変になっちゃったから、そっちは一人でしっかりするのよ? 大丈夫? できる?」
 浮かれて周りが見えなくなっていた私は、子ども扱いされても強く言い返せない。
「大丈夫。トーヤもアサヒもいるし、今はジルもいるから」
 少し間が開く。何か変なことを言っただろうか。と尋ねようとしたとき。
「トーヤは大丈夫。ジルコニアも大丈夫だけど、深入りしない方がマユにとっては幸せかもしれないわね。……そして、アサヒ君には気をつけなさい」
 そこまで聞こえたどころで、遠く向こうから母を呼ぶ声がした。
「じゃあみんな、わたしはこれで失礼するわ」
 突然かかってきた通話は、意味深な言葉を残して突然ぶつりと切れる。忙しい事は想像できていたが、どうやらそれ以上のようだ。
 母の言葉の意味を知っているのが知りたくて、隣のトーヤを見る。彼は難しい顔で黙ったまま、いまだにタオルで顔を覆う母親を見つめていた。
「やっと、言えたわぁ。これで母さん、ゆっくり寝て。気持ち良く目が覚めたら、大きくなったトーヤを思い切り抱きしめるの」
 泣きながらも、トーヤの母は幸せそうに微笑んでいた。