白の夏服セーラーって本当に女子高生の特権だと思う。これを爽やかに着こなせるのってやっぱり成人した女の子でも無理があると思うから。
言い換えれば白の夏服セーラーには特別感があり、見ている人の気持ちを高揚させる効果がある。だってそれは限られた期間にしか着られないものなのだから、この時を逃したら今度いつ目にすることが出来るか分からないからだ。

が、この論理は勿論ロリコンにのみ通用する。一般人は白の夏服セーラーになんて興味はない。

私は今日も空に向かって願うのだった。どうか店長が女子高校生好きのロリコンになりますようにと。


「瑞希瑞希、ちょっと見て欲しいものがあるんだけど」

「待って、今物凄く必死。必死なの。これは恋の一大事なの」

「あのさ、たまにするそれ不気味だからやめて欲しいんだけど。それし出すとクラスがちょっとざわつくんだよね」


友人の彩葉と光里に行動を否定されたので渋々と教室の窓を閉めると席へと戻る。窓閉めると暑いからやめて、と言われたのでやっぱり開けた。
まぁ店長がロリコンになるわけがないけどね。別に私はロリコンが好きなわけじゃないから。確かにおじさんは好きだけど、だけどロリコンおじさんが好きなわけじゃない。取り敢えず店長がロリコンになったら話は早いじゃんってことなのだ。

二人は私の机の上に雑誌を大きく開いていた。いや、私の机だよ諸君、分かっておるのかね?
どうやら芸能雑誌らしい。彩葉が開けられていたページの男性一人を指差した。


「この人、どう?」

「ナシ」


即答で答えると二人が一斉に吹き出した。何が可笑しいのかは全く分からない。ただ彼女たちにとってこの私の言葉はとても面白く感じるらしい。
しかしちゃんと雑誌の男性を見ずに即答してしまった。改めてその男性を見つめるがやっぱりナシだと思った。


「瑞希、それ他の女子の前であんまり言わないほうがいいよ。ファンの子とかいたら大変だし」