〈BL〉年上彼氏は体育教師

あの食事会から十二年。

僕は三十歳、桂二さんは四十六歳。

宮戸さん改め夢仁さんが三十七歳
一葉ちゃんが二七歳に。

そして、今日は二人の結婚式だ。

参加者は一葉ちゃんの友人数名、
夢仁さんの同僚数名、妹の芙深ちゃん
そして僕と桂二さんだ。

当然の事ながら
あの母親は呼ばなかった。

夢仁さんにもあの話をしたら
一緒に怒ってくれて一葉ちゃんが
二十歳になった時に縁を切った。

芙深ちゃんには高校卒業後に
色々なことを話し、
今は一人暮らしをしている。

母親の話しを聞いた芙深ちゃんは
何も知らなくてごめんなさいと
一葉ちゃんに謝った。

苦手と言っていた
一葉ちゃんも芙深ちゃんに謝った。

あの頃は小学生で
姉と父親と離れて
暮らさなければならなかったのだ。

芙深ちゃんは寂しかっただろう……

『一葉ちゃん綺麗だね』

隣にいる桂二さんに言った。

ウエディングドレス姿の
一葉ちゃんは本当に
大人っぽくなり綺麗になった。

そして、一葉ちゃんが
ブーケを投げ、受け止めたのは
妹の芙深ちゃんだった。

『よかったね』

芙深ちゃんは
ブーケを抱き締めて
嬉しそうに笑った。

結婚式の帰り道、
僕は嬉しいのに
寂しくもなっていた……

それは、一葉ちゃんを
“桂二さんの娘”なのに
“自分の娘”のように
思っていたからだろうか……?

これからも二人に
幸せが続くといいなぁ♬*.+゜♬*.+゜

*************************************

『なんか、家が広いね』

一葉ちゃんの結婚式から
帰ってきて思ったのは
そんなことだった。

『そうだな』

桂二さんが頷いてくれた。

不図、実家を思い出した。

僕が家を出た後に
母さん達も同じことを
思ったのだろうか?

そうだとしたら
“親”の気持ちが少し
わかった気がする(苦笑)
三つしか違わない
男の子に思う気持ちじゃ
ないことはわかっているけど
未央さんは
〔お母さん〕みたいだと思った。

一緒に料理をしてくれて
私の話しも真剣に聞いてくれる。

夢仁さんを好きになった時も
一番に相談した。

最初、未央さんを
お父さんに紹介された時は
吃驚したけど反対しようとは
少しも思わなかった。

そして、二人のおかげで
芙深と和解できた。

結婚式で私が投げた
ブーケを受け取ったのは芙深だった♡

私はあのマンションを出たけど
二人には何時までも幸せでいてほしい(*˘˘*)
お姉ちゃんが私とお母さんを
嫌っていたと知ったのは
高校を卒業した日だった。

過去形なのは
もぉ和解したから。

お父さんと恋人の未央さんが
いなければ、私達姉妹は
和解しないままだったと思う。

私はお姉ちゃんに
嫌われていると気付かず
お姉ちゃんは私を嫌ったまま……

お父さん達が離婚した時
私は小学五年生、
お姉ちゃんは中学三年生。

あの時、お姉ちゃんは
迷わずお父さんに
ついていくと言った。

今から考えれば当たり前だよね……

態々、嫌いな人と暮らすことはない。

お母さんとは
二十歳の誕生日を最後に会っていない。

ウエディングドレス姿のお姉ちゃんは
本当に幸せそうでよかった(*´︶`*)

そして、ブーケは私の元へ♡

恋人はまだいないけど
何時かお姉ちゃんや
お父さんみたいに
ずっと一緒に居たいと
思える人に出会えたらいいなぁ♡
『んん……ぁっ……
桂二さん……そこ駄目ぇ‼』

一葉ちゃんが家を出て早三ヶ月、
二人になったためか
遠慮なくアレコレするようになった//////

『身体は正直だぞ? (* ̄ー ̄)』

誰にも聞こえないからか
最近はこんな風に
言葉責めをしてきたりもする……

『ひゃん‼
ぁっ、ぁっ……』

気持ち善すぎて
声を押さえられない……

こういう時に
歳の差を感じたりする。

『未央、もっと感じて』

耳元で囁かれ、
イイ所を突かれて
僕はイってしました//////

『桂二さん、もっと……』

足りない……

もっと、桂二さんを感じたい。

〔駄目〕なんて
本当は思っていない。

恥ずかしいだけで。

『今日は寝かせてやらないからな』

〔今日は〕じゃなくて
〔今日も〕だけどそんな思考回路は
快楽の底に沈んだ……

*************************************

目を覚ますと服を着ていた。

桂二さんが綺麗にして
着せてくれたのだろう。

隣で寝ている桂二さんの
寝顔を見ながら
幸せを噛み締め、
眠りについた。

早く目が覚めたため
朝食の準備をしていた。

何時も一葉ちゃんと
並んで調理していたから
キッチンが広く感じる。

今頃、一葉ちゃんも
朝食の準備中だろうか?(笑)

そんな想像をして
料理をしながら
一人で小さく笑った。

(完)

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