お昼はオムライスで、夜は玉子チャーハン。

『ごべんざさい』涙でぐちゃぐちゃになりながら彼女は僕に謝った。
僕はその情けない顔を見て笑ってしまい、スズメは泣き顔から怒り顔に進化した。ポッポからピジョンになりました。

うん。泣くより怒った方が元気な感じがしていいね。

「ご主人様?」

「何?」

「今日はごめんなさい」

食事をしながらまた謝る。

「割れても料理で使えたから大丈夫だよ。ケガしなくてよかったね」

「違うんです。へタレって言ってごめんなさい」
本当に申し訳なさそうに彼女は謝った。

「そっちか、いいんだ事実だから」

「事実でもごめんなさい」

いや否定はしないんだね。まぁいいか。

「でもご主人様。『別れがつらいから出会わなければよかった』って思うのは違います。それなら世界中で自分だけしかいなくなります」

「うん」

「『また会おうね。出会えてよかった。ありがとう』ですよ」

年下の小柄な女の子に教えられる27歳。

「私はそう思います」

澄んだ目で僕を見つめるスズメ。

僕は自分の過去をスズメに言いたかったけど、その場は素直に「うん」って返事をした。

「ですよね」

スズメは何度もうなずきながら笑顔を見せる。

明るいおひさまのような笑顔だった。