三人がかりで支度をされる事、二十分。園崎が部屋に現れた。
「お嬢、先方が到着して既にお待ちです」
私は園崎の言葉に嫌な予感がした。
(ああ、これは私の誕生日祝いじゃない)
思わず逃げ道を探す私の前に園崎が膝をついた。
「お願いします。お嬢」
大きな巨体をしながらも畳についた手が震えている。
「顔を上げて園崎。お前の立場は分かってるわ。先方にお会いするだけよ」
私は膝をついて彼の手を握る。彼はほっとしたような顔で私を見た。
彼は恐怖で私を支配しようとする父親の代わりに、私を優しく見守ってきてくれた男。
そんな彼が極限に追い詰められている今、見捨てて立ち去る無慈悲な女ではない。
少し軋む長い廊下を歩いていると、奥の特別室に着く。
襖を開けられた先にいたのは父と、京極組の組長である京極豪鬼。そして、その隣にいるのは私のお見合い相手だろう。
ヤクザの癖に弁護士バッチをつけていて、思わず笑いが漏れてしまった。
精悍な顔立ちに涙ぼくろのある色っぽい男。一見すると育ちの良い御曹司に見えるが、服を脱げばきっとお絵描きだらけだ。
「お嬢、先方が到着して既にお待ちです」
私は園崎の言葉に嫌な予感がした。
(ああ、これは私の誕生日祝いじゃない)
思わず逃げ道を探す私の前に園崎が膝をついた。
「お願いします。お嬢」
大きな巨体をしながらも畳についた手が震えている。
「顔を上げて園崎。お前の立場は分かってるわ。先方にお会いするだけよ」
私は膝をついて彼の手を握る。彼はほっとしたような顔で私を見た。
彼は恐怖で私を支配しようとする父親の代わりに、私を優しく見守ってきてくれた男。
そんな彼が極限に追い詰められている今、見捨てて立ち去る無慈悲な女ではない。
少し軋む長い廊下を歩いていると、奥の特別室に着く。
襖を開けられた先にいたのは父と、京極組の組長である京極豪鬼。そして、その隣にいるのは私のお見合い相手だろう。
ヤクザの癖に弁護士バッチをつけていて、思わず笑いが漏れてしまった。
精悍な顔立ちに涙ぼくろのある色っぽい男。一見すると育ちの良い御曹司に見えるが、服を脱げばきっとお絵描きだらけだ。
