「人類へのささやかなクリスマスプレゼントである。わたしは、ハル」

 6回目のあとに届いたこのメッセージを最後にピタリと動画の投稿は途絶えた。
 最初SF愛好家の間で話題となり、動画は拡散された。よく練られたストーリーとグロテスクでリアルな映像の虜となる者が現れ、次第にその余波が広がり始めると、忽ちブームの渦へと全世界を巻き込んでいった。その結果、映画化も検討されるに至った。
 しかし、ハルなる人物の素性は未だ明かされてはいない。ハルが何者なのか、ネット上では憶測が飛び交い、熱狂した一部のファンの間でハルを捜すプロジェクトが進行中である。