「湊、……湊」
「んー……?」
ペチペチと頬を叩かれる。気持ちよく眠っていたのに、見事に現実に引き戻された。
「おはよう。朝風呂行こう!!」
圭一はサッと立ち、部屋の鍵を手にとった。
「湊も。早く立って」
「分かったから急かすなよ」
「もう一分一秒が惜しいよ、俺は」
朝からハイテンションな彼についてけない。
正直まだ寝ぼけ眼のまま、圭一に連れられて大浴場へ向かった。けどまだ時間が早いせいか、途中の廊下では誰ともすれ違わなかった。
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