日戸は枕に顔を沈めた。

倦怠感が強いが、快感の余韻もまだ消えてない。
同じように隣で寝てる少年を一瞥して深く息を吸った。

人種が違う。

初めて会った時は本当に、生きる世界が違う人間だと思ったのに。
人生って何が起こるか分からない。



────なんてことを、湊は考えてるのかもしれない。

でも俺だってそうだ。そう思った。
ここまで深い関係になるなんて思わない。可愛い子だったから最初のキスは、制裁のつもりの悪戯だったけど。
もう会うことはないと思っていた。

だけど次は彼の方から接近してきて。俺も舞い上がって彼を捕まえたんだ。
どんな子が知りたくて、その好奇心で動いた。
……恋をしていたんだろう。
高校最後の校外活動は。……続けて良かったと、自信を持って言える。

「湊、大好き」

重なる唇。
温かい掌。
出会った時よりずっと近くに感じてる。できれば、このままで。

目が合ったら、彼は少しだけ恥ずかしそうに笑った。