「あれ、今日はいつもより帰るの遅めだね。」

晴紀が傍に来てそう言う。

「はい、家に帰っても部屋に籠るだけですし、それだったらここで勉強した方がいいかなと。」

優菜の親は優菜に興味が無い。

小学校低学年まではしっかりと世話をしていたが、中学年からは「自由にしろ。」と言った感じで過ごしていた。

だから家に帰ってもずっと部屋に籠っている。

「成程ねぇ…。」

晴紀は伸びをし、「じゃあ、勉強頑張ってね。」と言い、戻って行った。

優菜は欠伸をしてから、勉強に取り掛かる。