顔合わせた瞬間から、気づいてたんでしょ? いいよ、とぼけなくて。わかってるから。

 それにしても、まさかみんな集まってくれるとは思わなかったなぁ。早めに案内状出してたってのもあるけど、普通あそこまでうまくいかないよね? ははっ。ごめんごめん。そんな怖い顔しないでよ。
 しょうがないよ。君だって、何も知らなかったんだし。でも、君以外は、来る前からなんとなく嫌な予感がしてたんじゃないかな、って思うよ。……えっ? なんでって、そりゃあ――いや、このことは話さないほうでおくよ。ほら、知らないほうがいいことって、この世の中いっぱいあるでしょう?

 ……あっ、ごめん。あんなこと起こしておいて、何言ってんだ、って感じだよね。でも、あのときは、自分が正しいことをしてるって思い込んでたんだ。まぁ、いまも正直なところ、なんで自分があんなに責められなくちゃいけなかったのか、わからないんだけどね。幻滅した? あぁ、いまに始まったことじゃないか。

 そういえば、『ぷらねっと』っていまも会ったりしてるの? ……ふうん、そうなんだ。たしかに、二人は固い絆で結ばれてる感じがしたわ。あんな嘘まみれの、ぺらぺらな奴らとは大違い。
 いまふと思ったんだけど、『ぷらねっと』って誰が付けたんだっけ? 絶妙にダサいよね。……あれ、そうだっけ。うわ、気まずっ。なんかごめん。

 ……あぁー、話しすぎたね。
 で、何? 絶交したはずの相手をわざわざ呼び出すなんて、相当のことがないとしないでしょ。
 もしかして、誰か死んじゃった? って、縁起悪いか、さすがに。

 えっ? 何をいまさら……それに、あの日話したことがすべてだよ。もう、話すことなんてない。
 あ、嘘……あった。
 君のことが、ずっと嫌いだった。
 大人ぶって、何事も達観しているような君が、ものすごく気に食わなかった。

 あの日だって、そうだった。
 何食わぬ顔して、すべてを見透かしていた。そして、みんなと同じように、責めてきた。
 ……君だって、共犯(きょうはん)だったのに。