ダメ元だった。目に入ったひとつのつぶやきが目に入る。多分無理だと思った。リプライはたくさんついていて、私の言葉はかき消されていきそうだった。
――初めまして。こんにちは。私は群馬住みのソウタくんのファンの二十三歳、性別は女で名前はもえです。ファンになりたてです。ド新規なのでお気を悪くしたらスルーしてください。今回の募集を見て、是非とも一緒にライブに行きたいと思い声をかけさせていただきました。よろしければ連絡いただけると嬉しいです。
うーん、何度も書き直して読み直しておかしなところがないか確認して送信した。ネット上で知り合う人と会うのは今まで一度もないから不安な気持ちもある。「定価なんて詐欺だよ」ってコメントもいくつかついていて気になる。だけどチャンスだから、ソウタくんに会える、そして私がまた外に出て青空の下を歩けるチャンスだから、いちかばちかで送ってみた。
返信は夜にDMできた。
――初めましてこんばんは、お返事遅くなってすみません。昼間の募集にご連絡ありがとうございます。私は三十代前半でして、もえさんとは少し年齢が違いますが大丈夫でしょうか?そこだけ不安になったので確認させていただきます。あと、ファン歴は全く関係ないですよ!私も好きになって一年の新規ですよ!
このメッセージを受け取って私はとても温かい気分になった。
そしてすぐに返信をした。
――お返事ありがとうございます。お忙しいと思いますので返信はいつでも構いません。こちらこそ年齢離れていますが大丈夫でしょうか?私の方は全く問題ありません、というか年下や同世代の人よりお姉さんの方が話しやすくて好きなので嬉しいです。ファン歴関係ないと言ってくださりありがとうございます。救われた気分になりました。
――お返事ありがとうございます。もえさんと一緒にライブに行きたいと思いますのでこのまま連絡を継続して大丈夫でしょうか?私の名前はすずと申します。千葉県に住んでいます。当日現地で待ち合わせして一緒にライブを楽しみましょう!
そんなやり取りから少しずつお互いの日常のやり取りが始まった。電話をするようになり、お互いの話をしていくうちになんだか盛り上がってしまい失恋から立ち直れたのはHOPETOYSのおかげだと話した。そしたらすずねぇは(そう呼んでと言ってくれた。私のことはもえちゃんと呼んでくれている)離婚したことを教えてくれた。
年齢も住む場所も違うふたりがHOPETOYSを通じて出会ったことに奇跡に近いものを感じた。
ライブ当日は少し前に待ち合わせしてカフェで話をすることになり、毎日その日が来るのが楽しみで仕方なかった。
重かった日常が軽くなっていく、ソウタくんとすずねぇのおかげで私は本来の明るい自分を取り戻しつつあった。
――初めまして。こんにちは。私は群馬住みのソウタくんのファンの二十三歳、性別は女で名前はもえです。ファンになりたてです。ド新規なのでお気を悪くしたらスルーしてください。今回の募集を見て、是非とも一緒にライブに行きたいと思い声をかけさせていただきました。よろしければ連絡いただけると嬉しいです。
うーん、何度も書き直して読み直しておかしなところがないか確認して送信した。ネット上で知り合う人と会うのは今まで一度もないから不安な気持ちもある。「定価なんて詐欺だよ」ってコメントもいくつかついていて気になる。だけどチャンスだから、ソウタくんに会える、そして私がまた外に出て青空の下を歩けるチャンスだから、いちかばちかで送ってみた。
返信は夜にDMできた。
――初めましてこんばんは、お返事遅くなってすみません。昼間の募集にご連絡ありがとうございます。私は三十代前半でして、もえさんとは少し年齢が違いますが大丈夫でしょうか?そこだけ不安になったので確認させていただきます。あと、ファン歴は全く関係ないですよ!私も好きになって一年の新規ですよ!
このメッセージを受け取って私はとても温かい気分になった。
そしてすぐに返信をした。
――お返事ありがとうございます。お忙しいと思いますので返信はいつでも構いません。こちらこそ年齢離れていますが大丈夫でしょうか?私の方は全く問題ありません、というか年下や同世代の人よりお姉さんの方が話しやすくて好きなので嬉しいです。ファン歴関係ないと言ってくださりありがとうございます。救われた気分になりました。
――お返事ありがとうございます。もえさんと一緒にライブに行きたいと思いますのでこのまま連絡を継続して大丈夫でしょうか?私の名前はすずと申します。千葉県に住んでいます。当日現地で待ち合わせして一緒にライブを楽しみましょう!
そんなやり取りから少しずつお互いの日常のやり取りが始まった。電話をするようになり、お互いの話をしていくうちになんだか盛り上がってしまい失恋から立ち直れたのはHOPETOYSのおかげだと話した。そしたらすずねぇは(そう呼んでと言ってくれた。私のことはもえちゃんと呼んでくれている)離婚したことを教えてくれた。
年齢も住む場所も違うふたりがHOPETOYSを通じて出会ったことに奇跡に近いものを感じた。
ライブ当日は少し前に待ち合わせしてカフェで話をすることになり、毎日その日が来るのが楽しみで仕方なかった。
重かった日常が軽くなっていく、ソウタくんとすずねぇのおかげで私は本来の明るい自分を取り戻しつつあった。