「誠さんも、助けてくれる人に出会えてたら、人生変わってたんですかね」


「そうかもしれないです。でも今こうやって、るいさんを助けられてることが、俺の幸せなので。るいさんの幸せは、何ですか?」


「私の幸せ…」




そう聞かれて、趣味とか自分へのご褒美がないことに気づいた。


自分へのご褒美が生活の糧になると、SNSで見たことがあって、その時は流し見で気にも留めなかった。




「幸せなんて、大きなことじゃなくても良いんですよ。今日もご飯を美味しく食べれたとか、いつもより寝つきが良かったとか。小さな幸せを見つけられると、それだけで人生が豊かになっていきます」


「そういえば、昨日すぐ眠れました。いつも、なかなか眠れないのに」


「それが、るいさんの小さな幸せですよ。そういうの、積み重ねていきましょう」