私が助けはいらないときっぱり断ると、元猫ちゃんは目を見開いて、何も言わない。

そんなに驚くことだろうか。




「…コーヒー、飲みます?それとも、ツナ缶と水の方が」


「いや。もう猫じゃないんで、コーヒーをお願いします」




寝室で立ったままなのも、上手く話がまとまらないし、リビングの椅子に座ってコーヒーを飲みながら、ゆっくり話した方が良いよね。

何しに来たか、いまいち分かってないけど。



「どうぞ」


「あ、あざます」



うちのコーヒーは豆を自分で挽いて、香りが最上級に良いタイミングでドリップしたいから、毎日時間をかけて愛情を込めて淹れている。

そんなこだわりを語りながら、元猫ちゃんの表情を伺う。