三毛猫を思わせる髪が、動くたびにふわふわと揺れていて、怒ったことがなさそうな穏やかな青年。
前世の前世から、良い行いをしてきたのかな。
「この世界に未練でもあるんですか?だから何回も戻ってきてるとか…。私、あなたの前世でやらかしてます?」
この青年がここに居る理由を考え出したら、存在している私以外にも別の次元で存在している私が居て、その私が悪さをしているのかとか、ぐちゃくちゃでまとまらない可能性が次々と溢れてくる。
「そういうのじゃないんで、大丈夫です。この話はちょっとややこしいので…、今は置いておきましょう。とりあえず、あなたの話をしたいんです」
「…私の話?」
「あなたを助けるために、俺はここに来ました。俺と同じようにならないように、俺はあなたを助ける」