私は鬱病だ。
 病院でそう診断された。
 鬱病ですと言われた時は、どこか納得した気分だった。
 鬱病と診断されたその日から、私をみる周囲の目が変わった。
 奇異の目で隠すことなくジロジロと見る人、同情する人、哀れみの目を向ける人。
 両親からは落胆され、見放され、虚しくなった。
 だか時が経つにつれ、どうでも良くなった。
『周囲の人が私をどう思っていてもいいじゃないか。どうせ私に害はないんだから。』
 そう考えるようになった。
 我ながら、卑屈だと思う。
 だけど、そうでも思わないとやっていられなかった。
 朝は特に気が立っていて、何に対してもイライラしていた。夕方から夜になると気分が少し落ち着く。今ではだいぶマシになったが、やはりまだイライラすることも多い。
 当然だ。まだ私は鬱病なのだから。