「下地島には今は人は住んでいなくて牧場があるだけ。上地島には人が住んでいるけど二十人そこそこみたい。新城島には未だに定期船がないから、シュノーケリングやダイビングのツアーにでも参加しないと行けないんだ。ツアーに参加しても行けるのは上地島だけの場合が多くて、下地島に上陸できるツアーなんてほとんどないね」
「純さんは下地島にも行ったことがあるの?」
 真澄の質問に僕は少々誇らしげに答えた。下地島に複数回上陸した観光客の数はそう多くはないはずだったからだ。
「四回あるよ。最初はシュノーケリングのツアー。あと三回は西表からカヤックを漕いでいったんだ」
「カヤックで行くのは大変そうね」
 真澄はひどく感心した様子だった。
「そうでもないよ。まあ、海の状態が良くないと行けないけどね」
「なるほどね。ああ、それじゃあ、二つの島の特徴を教えくれない?」
 最初は渋っていた真澄も、いざ歌詞を書くと決まると、物書きの性が目覚めたのか新城島に対する興味が増してきているようだった。
「先ずは人が住んでいる上地島のことから話すね。ああ、やっぱり写真がないとダメだね」