ハート型の黒島、その沖にしか
 ない海の青に魅かれた二人はあの日
 伊古桟橋で出会い、共にそこから
 自転車漕ぎたどり着いた西の浜へと
 住む場所も暮らしも何も違う二人の
 出会いに続きなんてないと思っても
 時が許す限り君と見ていたかった
 空よりなお青く光る海の色、黒島ブルー

 浅い眠りに落ちた君の横顔
 その向こうに流れてゆく八重山の海
 石垣に戻る船、速度緩めて
 残された君との時間尽きる間際に
 君の髪、肩にもたれた夏の夕暮れ
 その一瞬を僕は今も忘れない
 離島ターミナルの自動ドアの向こうに
 小さくなる君の背中追えなかったあの時

 船は左に曲がり切ない青に
 染まる海超え、たどり着く黒島港へ
 港で自転車借りて、あの日と同じ
 西の浜に続く道を一人たどって
 草に埋もれた道抜けて浜に下りたら
 あの時追えなかった背中をみつけた
 二年の時を経て再びこの浜辺で
 君と肩を並べて今、みつめる黒島ブルー