ミヤケイは恵一の愛称。今ではニュースでも彼の活躍が報道されて元気にやっているもが証明されている。
　現在は海外でも有名になっていて日本代表するプロのサッカー選手と成長していた。
　特に子供達からの人気も高くて息子もその一人だ。
　血は争えないのか、また父親と感じる部分があるのか彼の背中を追ってサッカーを始めた。それはもどかしくも嬉しさがあった。

「それでさ……僕ね」

「恵太。道路でボールを蹴ったら危ないでしょ？」

「大丈夫だって。車少ないし、ボール蹴るの上手いし」

「あ、こら。後ろを見て走らないの」

　由梨香は慌てて注意にするが、恵太はお構いなし。強く蹴り過ぎて転がって行くボールを追いかけて行ってしまう。
　あ～もう。そう思いながら恵太を追いかける。すると恵太が蹴ったボールが大人の男性の足元に当たってしまった。

「あ、すみません。息子が蹴ったボールで」

　その瞬間。時が止まるようだった。目の前に現れたのは恵一だったからだ。

「す、すげぇ～ミヤケイだ」

　恵太は宮野恵一だと分かると、大興奮しながら叫んだ。由梨香は動揺していると、彼はボールを拾うと恵太に渡した。

「俺も人の事は言えなかったけど、道路でボールを蹴ると危ないぞ？」

　そう言いながら恵太の頭を優しく撫でてくれた。そして由梨香を見るとニコッと微笑んでくれた。

「久しぶり……由梨香」

「け、恵一……どうしてここに！？」

　今では海外に住んでいて活躍している彼がどうして日本に居るのだろう？　しかも、地元だが、こんな田舎に。