幼い頃、両親は私の髪色をとても褒めてくれた。 『紗夜(さよ)の髪はすごく綺麗だね』 『きっと紗夜は特別なんだよ』 お母さんは私の茶髪を丁寧に梳かし、お父さんは頭を優しく撫でる。2人から注がれる愛情に、私は嬉しくて微笑んだ。 私の髪は素敵なんだって。私の神は特別なんだって。その言葉が、とても誇らしかった。 けれど、いつもみんなが私の髪を褒めてくれるわけではないと、成長して行くにつれて知ってしまったのだ。