続く答えを待つが、曾祖母はなにも言わない。
もしかしてまた寝ているんじゃ?
そんな疑惑が湧いてくる。
曾祖母は年を取ったせいもあって、いつも目が開いているのか開いていないのかわからない。
「……民を守る立派な使命だとしか思ってなかったよ」
起こそうかどうしようか迷っていたら、不意に曾祖母が口を開いた。
「……そっか」
それは祖母……娘が巫女になるまで、孤軍奮闘していた曾祖母らしいと思った。
戦中は空襲も激しかったが、そんな状況だったので穢れの出現率も強さも半端なかったらしい。
おかげで曾祖母が巫女になる前に先々代も先代も穢れによって命を落としていた。
曾祖母は本来、数えの二十歳で巫女になるところを特例で、十五でなったそうだ。
私なんか想像できないほど、大変なんて言葉で片付けられない苦労をしてきたに違いない。
長かった間はそれだけの重みを感じさせた。
「そんな疑問が持てるなんて贅沢なこったさね。
悩めるだけ悩みなさい」
珍しく目を開け、曾祖母が私と視線をあわせる。
さらに手を握り、元気づけるように軽く叩いた。
「……うん」
もしかしてまた寝ているんじゃ?
そんな疑惑が湧いてくる。
曾祖母は年を取ったせいもあって、いつも目が開いているのか開いていないのかわからない。
「……民を守る立派な使命だとしか思ってなかったよ」
起こそうかどうしようか迷っていたら、不意に曾祖母が口を開いた。
「……そっか」
それは祖母……娘が巫女になるまで、孤軍奮闘していた曾祖母らしいと思った。
戦中は空襲も激しかったが、そんな状況だったので穢れの出現率も強さも半端なかったらしい。
おかげで曾祖母が巫女になる前に先々代も先代も穢れによって命を落としていた。
曾祖母は本来、数えの二十歳で巫女になるところを特例で、十五でなったそうだ。
私なんか想像できないほど、大変なんて言葉で片付けられない苦労をしてきたに違いない。
長かった間はそれだけの重みを感じさせた。
「そんな疑問が持てるなんて贅沢なこったさね。
悩めるだけ悩みなさい」
珍しく目を開け、曾祖母が私と視線をあわせる。
さらに手を握り、元気づけるように軽く叩いた。
「……うん」