私だって早く決めなければみんなに迷惑をかけるのはわかっていた。
それでも決められないものは決められないのだ。
祖母と曾祖母、私の三人で食卓を囲んで朝食が始まる。
刀のふたりはそのあいだ、近くに控えていた。
刀は人の形をしているとはいえ、食事が必要ない。
それでも嗜好品としてたまに、人間と同じものを食べる。
曾祖母の刀の春光は祖母の影響か和菓子が好きだし、祖母の刀である威宗は祖母と晩酌をしていたりする。
私は……母の刀のような男なら、一緒にカフェ巡りとかしたいなー。
「なんだい、ひとりでにやついて気持ち悪いね」
「はっ」
祖母が嫌そうにため息をつき、自分が妄想に耽っていたのに気づいて我に返った。
「……スミマセン」
小さくなって一粒ずつご飯を口に運ぶ。
……うん。
でも、それを現実にするために、なんとしても美しい刀を選ばねば。
朝食が済み、部屋に戻ってきて鍵の入る箱の前に座る。
「いい加減、選ばないといけないのはわかってるんだけど……」
夜から日付をまたいで年越しの儀がおこなわれる。
もちろん、私も出席だ。
それでも決められないものは決められないのだ。
祖母と曾祖母、私の三人で食卓を囲んで朝食が始まる。
刀のふたりはそのあいだ、近くに控えていた。
刀は人の形をしているとはいえ、食事が必要ない。
それでも嗜好品としてたまに、人間と同じものを食べる。
曾祖母の刀の春光は祖母の影響か和菓子が好きだし、祖母の刀である威宗は祖母と晩酌をしていたりする。
私は……母の刀のような男なら、一緒にカフェ巡りとかしたいなー。
「なんだい、ひとりでにやついて気持ち悪いね」
「はっ」
祖母が嫌そうにため息をつき、自分が妄想に耽っていたのに気づいて我に返った。
「……スミマセン」
小さくなって一粒ずつご飯を口に運ぶ。
……うん。
でも、それを現実にするために、なんとしても美しい刀を選ばねば。
朝食が済み、部屋に戻ってきて鍵の入る箱の前に座る。
「いい加減、選ばないといけないのはわかってるんだけど……」
夜から日付をまたいで年越しの儀がおこなわれる。
もちろん、私も出席だ。