「う、うん」

祖母は元気づけてくれるが、私の不安は一向に晴れない。
深まっていくばかりだ。

「準備はしっかりと。
頼んだよ、威宗、春光、伶龍」

「はい」

「やるぞ、やるぞ、俺はやるぞ!」

深刻な面持ちの面々の中でひとり、伶龍だけがやる気に満ちあふれていた。



急ピッチで準備が進んでいく。
大穢れとなれば矢も、通常のものでは通じない。

「ばあちゃん。
大穢れの核をこんな矢で露出させられるの?」

A級ですら、特殊な矢を使っても一苦労だった。
なのにさらに大きな大穢れの核をこんなちんけな……などというとあれだが、こんなもので蟲を蹴散らして露出させられるとは思えない。

「やみくもに打っただけじゃ、難しいだろうね」

「じゃあ……」

どうやって大穢れを祓うのだろう。
しかし、祓えないはずはないのだ。
母が亡くなったあとも何度か、祖母は曾祖母と協力して大穢れを祓っている。

「覚醒した巫女はね、蟲の向こうに核の位置が見えるんだ」

「核の位置が?」

「そうだ」

祖母が頷く。