「……、何でそれを知っているの?」

驚くはずなのに…、驚けない。

「……俺も悪魔と契約したから、かな。その悪魔が感情とかも引き抜けるって……」

「……。遊の前にも現れたんだ。」
あの悪魔は、願いを聞けばどこにでも現れるのか。
そしたら、悪魔は暇人すぎではないのか。
なんてぼんやり思う。


「何を契約したの?」
遊には、叶えたい願いでもあったのだろうか?

「……それは、内緒。」
「そっか。」


「……桃空は、何で悪魔と契約したの?」

「……。」
「言いたくない?」

「ううん。もうそんな感情ないから、いいよ。」

私は、遊と目を合わせないよう窓の外に目をそらしてから話を始めた。