「桃空、久しぶり。」
ホームルームが終わり10分休みに入ると、囲んでくる女子も気にせずにかき分け私のところへやってきた。

こんな転校生を独り占めなんてしたら後で恨まれるかもしれないな。

「久しぶりだね、遊。」

「……?元気だった?」

なぜか訝しげに黙りこくった後、何もなかったかのように会話を続けてきた。

私のなにかおかしかったがおかしかったのだろうか?


「まぁね。そっちこそ、東京はどうだった?」

「楽しかったよ。でも俺はこっちの自然豊かな方が好きかな。」

「そう。」


「……桃空、変わったね。」

「…。別にそんな変わってないよ?」
遊の言いたいことを察して取り繕ったが……、遅かった。

……衝撃的なことを口にされた。


「……それとも…、悪魔に感情を抜かれた?」