「じゃ、転校生入ってこい。」

瀬戸先生の野太い声を合図に戸を開けて、1人の男子が入ってきた。

……男子ね。そっか。 

なんて気楽に思っているうちに、彼が自己紹介を始めた。

「夜月遊(やづきゆう)です。東京から来ました。まぁ、正確に言うと昔この辺りに住んでいたので帰ってきました、ですね。バスケと陸上が得意です。よろしくお願いします。」

……。
……やづき、ゆう…?

私は聞き覚えのある名前にふと反応した。


どうして……、このタイミングで"初恋の人"が帰って来るの………?


____なんて運命は残酷なのだろう。