※
__放課後。
「……やっぱりダメだったか……」
私は職員室を後にすると、人気のない通路を歩きながら溜息混じりに独り言を漏らす。
あの時一杉君が提案してくれた通り、私は授業が終わってから早速担任の所へ赴き、落し物について問い合わせてみた。
けど、結果は不発に終わり、一先ず紛失届を出してその場は終了。
少しだけ望みを掛けていた分、私は思いの外落胆していて、捜索意欲も少し削られた。
相馬君からは行動範囲について聴取済みで、いくつか当たりを付けてみたけど、そのどれもが残念な結果に。
基本校内は相馬君に任せ、主に校舎外を中心に探し回ってはいるものの、全く見つからない。
そんな中、刻々と日は過ぎていく訳で、このまま発見出来ずに文化祭を迎えてしまう結末が濃厚ではないのかと段々そう思えてきた私は、思いっきり肩を落とした。
「……あっ」
すると、見覚えのある後ろ姿が前方に見えて、私はふとその場で立ち止まる。
そして、周囲に人がいない事を確認すると、それに追い付く為勢い良く駆け出した。
「相馬君っ!」
声を張り上げてその名を呼び止めると、彼はこちらの方へと振り返る。
その刹那、心なしか表情が影かかっていたように見えたが、相馬君はいつもの穏やかな笑みを向けてきて進めていた歩を止めた。
__放課後。
「……やっぱりダメだったか……」
私は職員室を後にすると、人気のない通路を歩きながら溜息混じりに独り言を漏らす。
あの時一杉君が提案してくれた通り、私は授業が終わってから早速担任の所へ赴き、落し物について問い合わせてみた。
けど、結果は不発に終わり、一先ず紛失届を出してその場は終了。
少しだけ望みを掛けていた分、私は思いの外落胆していて、捜索意欲も少し削られた。
相馬君からは行動範囲について聴取済みで、いくつか当たりを付けてみたけど、そのどれもが残念な結果に。
基本校内は相馬君に任せ、主に校舎外を中心に探し回ってはいるものの、全く見つからない。
そんな中、刻々と日は過ぎていく訳で、このまま発見出来ずに文化祭を迎えてしまう結末が濃厚ではないのかと段々そう思えてきた私は、思いっきり肩を落とした。
「……あっ」
すると、見覚えのある後ろ姿が前方に見えて、私はふとその場で立ち止まる。
そして、周囲に人がいない事を確認すると、それに追い付く為勢い良く駆け出した。
「相馬君っ!」
声を張り上げてその名を呼び止めると、彼はこちらの方へと振り返る。
その刹那、心なしか表情が影かかっていたように見えたが、相馬君はいつもの穏やかな笑みを向けてきて進めていた歩を止めた。