「……あのさ、話全然変わるんだけど。瀬川さんって、昨日事故に遭った相馬悠介って人の幼馴染なんでしょ？」

相馬君に対する瀬川さんの気持ちをどうしても確かめたくなった私は、もはや、なりふりなんて構ってはいられないと思い、強行突破に出る。

「はい？」

これまた唐突過ぎる私の質問に対し、瀬川さんは先程以上に目を大きく見開き、今度は素っ頓狂な声を挙げてきた。

「な、何で知ってるの？」

それから、一瞬だけ引き攣った笑顔を私は見逃さなかった。

「噂で聞いたの。相馬君、今意識不明の重体なんでってね」

ここは適当に誤魔化し、なんとか鎌をかけてみる。

その途端、瀬川さんは急に真顔になると、視線を逸らした。

「そうみたいだね」

そして、長い沈黙の割にはたったの一言で、しかも人事のような返答に、私の中での何かがプツリと切れる。

「心配じゃないの？」

そんな訳はないと思うけど、何だか余所余所しい瀬川さんの態度に納得いかず、つい苛立った声でそう尋ねてしまう。