その時、ふと浮かびあった一つの疑問点。

私が探しているのは、相馬君が瀬川さんにあげようとしているハピネスベアー。
でも、彼女は既に一杉君とお揃いの物を持っているという。

だとしたら、重複してしまう。

もしかして、相馬君はその事を知らないのだろうか?

それとも、ハピネスベアーは何種類かあるから、瀬川さんはコレクションでもしているのだろうか?

それによっては、私が今行なっている捜索の意義が大きく変わっていく為、その事情を今すぐ確かめなくてはいけない気がする。

「ね、ねえ。瀬川さんはハピネスベアーを集めてるの?」

思い立ったら直ぐに実行というように、私は早速瀬川さんに問い掛けてみる。

「えっ?」

すると、まるで不意を突かれたように、私から手を離すと、瀬川さんはきょとんと目を丸くする。

ちょっと唐突過ぎたかなと我ながら思ったけど、回りくどくするのも面倒な為、ここは単刀直入が一番。

「そうだな~。別に集めてはいないけど、何種類かあるし、他のタイプを持っててもいいかもしれないね。……もしかして、朝倉さんはコレクションしてるの?」

少し間を空けてから、にっこりと微笑んで返答してきた瀬川さん。

そして、何とも答えづらい質問までされてしまい、私は一瞬口を噤んでしまった。