
作品番号 1696190
最終更新 2023/07/13
「そもそもさ、結婚生活続けるために、相手を好きじゃなきゃダメなの?」
「ダメでしょ。
だって、結婚って好きな人とするもんでしょ?
好きじゃなくなったら、結婚生活なんて続けられないじゃん」
「好きかどうかなんてさ、どっちでもよくない?
だって結婚して子供もいるんだよ。
家事して育児して、一日を終えるのが精いっぱいの毎日の中で、相手を好きかどうかなんて、考えてる暇なんてなくない?
正直どうでもいいよ」
「でも、こんな気持ちで結婚生活続けるのは、よくないでしょ? お互いにとっても、子供たちにとっても」
「だったらさ……もう一度、恋したらいいんだよ」
__そんなの、どうやって……
そんな風に悩んだら……
『もう一度 恋する方法』で、検索。
__「そんなの、塗り替えたらいいじゃん」
恋の足跡を辿って見つけたのは、いつも優しくて、穏やかな答えでした。
思い出の箱を開けた瞬間、私の体内メトロノームが、再びそのテンポを刻み始める。
私たちの恋は、時に甘く、時に切なく、時に苦しく、いつも優しい。
~私の心が動くとき、いつもそばにいたのは、君でした~
- あらすじ
- 夫の浩介にすっかり恋心を失くし家事や育児に翻弄される日常に嫌気がさした早矢香は、家を出ることを決意する。荷造りをしようとして落とした缶の中から出てきたのは、夫と付き合っていた当時の思い出の数々だった。何でもない思い出品の中から、当時の二人を懐かしく見つめるうちに、浩介への気持ちを改めていく。記憶の中に散りばめられた何でもない思い出が、忘れてしまった気持ちを呼び覚まし、早矢香の心を再び動かし始める。