「好きだ」

 どうして忘れることができたんだろう。
 
 こんなにも大好きな人。

 彼はわたしをずっと好きでいてくれたんだ…。

 閉ざされたドアの隙間から微かな光が差し込む。

 微かな光とともに、ドアの隙間から手が差し伸べられる。

 わたしはその手をそっと握り、導かれるままに外へ駆けだした…。