〇第1話シナリオ
※
カイン、ハインツを追放する。
ちょっとした罠にはめてハインツを無能だと酒場で罵倒し、追放宣言。驚いた顔のハインツであったが、少し言葉を交わしただけで追放されていった。その背中はしょぼくれて見えたが、カインは一切顧みなかった。
理由は簡単だ。
地味、ゴク潰し、役立たずで働かない。前線に出ず、後ろで遊撃に徹している。等々。なんとでもいい様はあったらしい。
そして、ハインツを除いて新生パーティ「紅の旗」(ルージュフラッグ)は活動を開始するが……。
※
ハインツ、がっかりしている様子で酒場をでて、懇意にしている商会に顔を出す。
しかし、がっかりしていたのではなく、実は追放された理由を吟味し、さらに今後のスケジュール調整を練っていたのだ。
「ふ~む……。冒険者パーティでは、多少は目立つ方が持て囃されるのか。実力というよりも目立ったもの勝ちなのだな、うんうん、反省反省」
だが、
「まぁ、おかげで少し仕事が減ったぞ。さすがに賭け持ちはこれ以上は厳しかったんだよなー」
そういって、大商会の会長の椅子にドッカリト座るハインツ。目の前には、書類の山。好々爺とした番頭がほっとした顔で書類を追加する。
「お早いお帰りで安心しました! また、追加の商談が来ております。今月の利益は前月の───」つらつらと黒字報告をする番頭であったが、ハインツが放り出した冒険者認識票をみて、驚く。
「ど、どうしたのですか? Sランクパーティになれたと喜んでいたのではないですか?!」
「う~む。それなんだが、かくかくしかじか───」
なんですとーーーーーーーー?!
超有能なハインツを追放したカインに対する怒りに怒髪天をつく番頭。
後日、「紅の旗」はとんでもない目にあうことになる
〇第2話シナリオ
※
「紅の旗」の大賢者は、ハインツを貶めるためにリーダーに協力した。
せっかくSランクパーティに入れた賢者はその頭脳を生かしたブレインとして活躍するつもりが、そのお株を全てハインツに奪われ怒り心頭であったのだ。
それを逆恨みして追放したのだが……。
どうにも、それ以来何もかもがうまくいかない。学のないメンバーのために買い出しや、交渉を担当するも、ことごとく失敗。しかも多額の借金をメンバーに内緒で抱える羽目になってしまったのだが……。
その裏にある商会が噛んでいるなど本人は知らぬことであったのだけども───。
※
商会での仕事を終えたハインツは、深夜にもかかわらず教会の難民救済センターに顔を出す。
魔物の進行で家を失い傷ついた人々を収容する施設で、常に人手が足りない場所であった。そこにかを出したハインツは持ち前の回復魔法と商会で稼いだ利益から救援物資を分け与えていく。感謝する人々に対してハインツは苦い顔だ。
本人的には、これが焼け石に水であるとわかっている。いくら難民を救済したとしてもそれは一時的なことで抜本的解決にはならない。明日死ぬ命を2,3日先伸ばししているだけだと。
悩むハインツを教会の大司教が話を聞くうちに。
「……それで魔王を倒すために、Sランクパーティに協力していたと?」
「はい、しかしやり方を間違ったようです。やはり、個人の力量ではなく、組織として魔王を打倒するべきでしょう」
大司教は、ハインツの話を聞いて内心怒り心頭であった。しかも、ハインツの追放に教会の送り出した聖女まで噛んでいるとなれば、黙ってはいられない。
そして、カイン達もハインツも知らぬところで、教会勢力がお仕置きのために動き出したのだ。
〇第3話シナリオ
※
聖女は、内心うんざりしながら難民救済センターで回復魔法による奇跡を起こしていた。
しかし、やる気はゼロで、早く帰りたいと思っていた。
急な呼び出しというから来てみれば難民救済センターの手伝いだというが……。
そこの顔を出す大司教。聖女の後ろ盾で、師匠でもある。
しかし、再会を喜ぶ間もなく、般若のような顔で迫る大司教に───。
※
そして、カイン達は何故か「何もしていないにも関わらず」次々に苦難が押し寄せる。
それもこれもハインツのしでかした出来事のせいだと責任転嫁しているのだが……。
ある日、大きな依頼が舞い込んでくる。
魔王軍の将軍クラスが辺境の町を襲っているというのだ。
急遽編成された冒険者連合と、在野の戦士たち。
彼らは魔王軍に立ち向かうべく郊外に集結したのだが、そこで驚くべきものを目の当たりにする。
ひとりの戦士が、
夜明けとともに駆け付け、あっという間に魔王軍の大部隊を壊滅し、颯爽と去っていったという。
なんでも「仕事が溜まっているので……! すみません!」と言っていたとかいなかったとか。
それを聞いてカインはふと思い出す。
いつもいつも、雑用ばかりしていたハインツは同じような言い訳をしていたなーと……。
「はは、まさかな」
〇今後の展開
魔物を倒すために来てくれた英雄たちだと持て囃されるカイン達。
調子にのってあることないこと吹聴しているが……。
実際には本人たちの足元は火だるま状態であった。
さらには、ギルド、協力関係にあった傭兵。そして、王国にまで「やらかし」てしまい、最終的にはボロが出て、自滅していくのであった。
そして、ハインツはといえば相変わらず忙しそうにする中、誠実な働きぶりと人柄に本物の人望が集まり、世界を知らず知らずのうちに救っていく───。
そんな物語。
※
カイン、ハインツを追放する。
ちょっとした罠にはめてハインツを無能だと酒場で罵倒し、追放宣言。驚いた顔のハインツであったが、少し言葉を交わしただけで追放されていった。その背中はしょぼくれて見えたが、カインは一切顧みなかった。
理由は簡単だ。
地味、ゴク潰し、役立たずで働かない。前線に出ず、後ろで遊撃に徹している。等々。なんとでもいい様はあったらしい。
そして、ハインツを除いて新生パーティ「紅の旗」(ルージュフラッグ)は活動を開始するが……。
※
ハインツ、がっかりしている様子で酒場をでて、懇意にしている商会に顔を出す。
しかし、がっかりしていたのではなく、実は追放された理由を吟味し、さらに今後のスケジュール調整を練っていたのだ。
「ふ~む……。冒険者パーティでは、多少は目立つ方が持て囃されるのか。実力というよりも目立ったもの勝ちなのだな、うんうん、反省反省」
だが、
「まぁ、おかげで少し仕事が減ったぞ。さすがに賭け持ちはこれ以上は厳しかったんだよなー」
そういって、大商会の会長の椅子にドッカリト座るハインツ。目の前には、書類の山。好々爺とした番頭がほっとした顔で書類を追加する。
「お早いお帰りで安心しました! また、追加の商談が来ております。今月の利益は前月の───」つらつらと黒字報告をする番頭であったが、ハインツが放り出した冒険者認識票をみて、驚く。
「ど、どうしたのですか? Sランクパーティになれたと喜んでいたのではないですか?!」
「う~む。それなんだが、かくかくしかじか───」
なんですとーーーーーーーー?!
超有能なハインツを追放したカインに対する怒りに怒髪天をつく番頭。
後日、「紅の旗」はとんでもない目にあうことになる
〇第2話シナリオ
※
「紅の旗」の大賢者は、ハインツを貶めるためにリーダーに協力した。
せっかくSランクパーティに入れた賢者はその頭脳を生かしたブレインとして活躍するつもりが、そのお株を全てハインツに奪われ怒り心頭であったのだ。
それを逆恨みして追放したのだが……。
どうにも、それ以来何もかもがうまくいかない。学のないメンバーのために買い出しや、交渉を担当するも、ことごとく失敗。しかも多額の借金をメンバーに内緒で抱える羽目になってしまったのだが……。
その裏にある商会が噛んでいるなど本人は知らぬことであったのだけども───。
※
商会での仕事を終えたハインツは、深夜にもかかわらず教会の難民救済センターに顔を出す。
魔物の進行で家を失い傷ついた人々を収容する施設で、常に人手が足りない場所であった。そこにかを出したハインツは持ち前の回復魔法と商会で稼いだ利益から救援物資を分け与えていく。感謝する人々に対してハインツは苦い顔だ。
本人的には、これが焼け石に水であるとわかっている。いくら難民を救済したとしてもそれは一時的なことで抜本的解決にはならない。明日死ぬ命を2,3日先伸ばししているだけだと。
悩むハインツを教会の大司教が話を聞くうちに。
「……それで魔王を倒すために、Sランクパーティに協力していたと?」
「はい、しかしやり方を間違ったようです。やはり、個人の力量ではなく、組織として魔王を打倒するべきでしょう」
大司教は、ハインツの話を聞いて内心怒り心頭であった。しかも、ハインツの追放に教会の送り出した聖女まで噛んでいるとなれば、黙ってはいられない。
そして、カイン達もハインツも知らぬところで、教会勢力がお仕置きのために動き出したのだ。
〇第3話シナリオ
※
聖女は、内心うんざりしながら難民救済センターで回復魔法による奇跡を起こしていた。
しかし、やる気はゼロで、早く帰りたいと思っていた。
急な呼び出しというから来てみれば難民救済センターの手伝いだというが……。
そこの顔を出す大司教。聖女の後ろ盾で、師匠でもある。
しかし、再会を喜ぶ間もなく、般若のような顔で迫る大司教に───。
※
そして、カイン達は何故か「何もしていないにも関わらず」次々に苦難が押し寄せる。
それもこれもハインツのしでかした出来事のせいだと責任転嫁しているのだが……。
ある日、大きな依頼が舞い込んでくる。
魔王軍の将軍クラスが辺境の町を襲っているというのだ。
急遽編成された冒険者連合と、在野の戦士たち。
彼らは魔王軍に立ち向かうべく郊外に集結したのだが、そこで驚くべきものを目の当たりにする。
ひとりの戦士が、
夜明けとともに駆け付け、あっという間に魔王軍の大部隊を壊滅し、颯爽と去っていったという。
なんでも「仕事が溜まっているので……! すみません!」と言っていたとかいなかったとか。
それを聞いてカインはふと思い出す。
いつもいつも、雑用ばかりしていたハインツは同じような言い訳をしていたなーと……。
「はは、まさかな」
〇今後の展開
魔物を倒すために来てくれた英雄たちだと持て囃されるカイン達。
調子にのってあることないこと吹聴しているが……。
実際には本人たちの足元は火だるま状態であった。
さらには、ギルド、協力関係にあった傭兵。そして、王国にまで「やらかし」てしまい、最終的にはボロが出て、自滅していくのであった。
そして、ハインツはといえば相変わらず忙しそうにする中、誠実な働きぶりと人柄に本物の人望が集まり、世界を知らず知らずのうちに救っていく───。
そんな物語。