プグナ王国の基本種族の5種族を全てスカウトした俺はリヒトと待ち合わせの場所へ戻った。

「おおリヒト先に戻っていたか!リングの材料は集まったか?」

「あぁロープ、丸太集めておいたよ。それにしても…ゴーレムはこの王国の基本種族だが、なかなか姿を見せずにあまり見たことなかったけどでかいな…!」

「それでもこのゴーレムは高さ大体5メートルだが小さい方らしいぞ。」

「え!?これでもかい!?ということは10メートルや20メートルのゴーレムもいるか!?」

 俺がガドックにこれでも小さい方だと言われた時と同じ反応で少し笑ってしまう。

「我は…ガドックという。よろしく頼む。」

「よろしくガドック。僕はリヒトだ物理力はあまりないエルフだが魔法力はある。」

 ふと思ったがさっきからリヒトの姿だけで、オークのウェルとゴブリンのファメの姿が見えない…逃げたかのか…それともまさか…!?

「なあリヒト…ウェルとファメはどうした?」

「あぁ、あのオークとゴブリンかい?フフ…逃げようとしたから始末を…!」

「お…おま…」

「な〜んてね。冗談冗談!逃げようともしてないし、ウェルとファメは疲れてあっちで寝てるよ。ただロープと丸太を探してここに運ぶだけなのにね。」

 こ…こいつこんなキツい冗談を言う性格だったか…?

 まぁとにかく仲間割れをしなくてよかった。

「そうだガドック!そこにウェル、ファメというオークとゴブリンが寝てるから、起こしてきてくれないか。」

「我がか…?わかった。」

 リヒトに言われドスン…!ドスン…と!足音をたてながらウェルとファメが寝ている場所へ向かっていった。

 (というかこんなデカい足音をたてているのにウェル達はまだ起きないのか…)

「そういえば素材を集めてもらってなんだがもう1つリヒトに頼みがあるんだ。今のゴーレムじゃ物理力が強すぎて誰も相手にならない。だからそれを弱める装備を魔法で作ってくれないか?」

「物理力を弱めるとはこれまた珍しい注文だね。いいよお安い御用さガドックが戻ってきたらサイズを測って装備を作ろう。」

 その肝心なガドックは徐々にウェルとファメの所へ近づいていた。



 そしてガドックは右の拳を上げ…



 地面へ向かって殴った!

「「!?…地震か!?」」
 地面を殴った衝撃で辺りはかなり揺れ、地震と勘違いしたウェルとファメは目を覚ました。

「起きたか。我はゴーレムのガドックだ。リヒトが呼んでいるぞ。」

「テメェ!わっち達と初対面にしては起こし方が荒すぎるだろ!」

 ファメたちが怒りガドックはすまなそうな顔をしている。

 ひょっとしてガドックは力加減ができないのだろうか…



 しばらくしてガドックがファメ達を連れて戻ってきた。

「ちょっといいかなガドック。装備を作るために君の手脚のサイズを測らせてくれ。」

 ガドックは寝っ転がり、リヒトが手脚のサイズを測り始めた。

 手の大きさは大体横縦幅1メートルで、脚の大きさは横1.5メートル、縦は3メートルだった。

「なるほど。ガドックありがとうもう起き上がっていいよ。サイズさえ分かればもうあとは作るだけだ。あとさっきのウェルの起こし方を見て、力加減ができなさそうだったからそれも考えて全力を出しても魔力で力を抑える装備の方がいいかもね。」

「そうしてくれよ!また馬鹿力であんな起こされ方したら困る!」

 ファメは先ほどの起こし方が不満なようだ。

 ただそれを除いても、今の力では相手の命を奪いかねない。

「さて…作るよ…」

 リヒト目の前の地面に青い魔法陣が現れる…



「ブルーフェン!」



 魔法陣が青く光り輝いた瞬間…青いグローブとロングシューズが現れた。

「このグローブとシューズは外側からの衝撃は普通に受けるけど、内側からの衝撃…つまり装備者の攻撃は若干の和らげるようになっているよ。試しにガドック装備してさっきのように地面を殴ってごらん。」

 ガドックはグローブとシューズを装備し思いっきり地面を殴った…!

「ひッ…また揺れ…あれ?」

「揺れなかっただぁ。」

 ファメとウェルは地面が揺れないことに逆に驚き目が点になった。

 そしてガドックは…

「おお…我の力がここまで和らぐとは…!これで我も闘いに参加できるぞリヒトよありがとう!」

「いやいやそんな感謝されることまではしてないさ。ただグローブは手を開けず、掴む事は出来ないからそこは注意してくれ。まぁあんな力があれば相手を掴む必要はない気がするけど。」

「リヒト。ガドックが闘えるように装備を作ってくれてありがとうな。それじゃあこれでメンバーが揃ったし、いよいよプロレスの準備といきますか…!」

 と勢いに乗ってこれから準備をしようとするがスパーダが横に入ってきて…

「ねぇ…もう陽が沈み始めてる…明日にしない?」

 そういえばこの異世界に来てそして5種族をスカウトしてたが、それらに集中していてスパーダの言うように既に陽が沈んできていた。

 というか丸1日でここまでできたのか…俺ってもしかしてスカウトの才能ある!?まぁそれはさておき…

「そうだな。スパーダの言うとおり陽が沈んできたし、今日はもう終わりにして休むか。」

「そうしましょう!あ、私宿主なので私の宿使っていいですよ〜!」

「サニーテって宿主やってたのか!わっちやど楽しみ!」

「どんな飯が食えるのか楽しみだぁ!」

「リヒト…私達も…行こう…。」

「そうだな。サニーテの宿に泊まるのは久々だ。」

 そう言ってウェルとファメの元盗人組はウキウキ気分で、リヒトとサニーテのエルフ組は落ち着いてサニーテの宿に向かった。

「ガドックお前はどうする?」

「我も…行こう。ただ我は入れないと思われる。だから宿の隣で眠ろう。」

 ガドックは地面を揺らし…いや装備のおかげでその体格には似合わず足音をたてずに向かって行った。

 明日は開催場所やリング作り、そして試合内容を考えなければ!

 そのために今日はゆっくり休もう。