地上の騎士達を連行するソルの目の前に立ちはだかった、あの謎のフードの男。
 今日もハスキーで爽やかな声で淡々と言い放つ。
 この二人は敵対関係だろう、と考える前に謎の男に逢えると思っていなかったレイラは駆け寄って、色々言いたいけど声が声にならなかった。
 上手く喋れないのを察して肩に軽くて手を置き、反対の腕でソルを差す。
「今までこっそり見てきたが確かに君は優しい。だけどこの身寄りの無い子を守るだけの力を持っているか?」
「……顔も隠し一方的に物を言う。オレでも分かるぞ、話には順序がある」
 一方は対人の会話をマイペースにおこない、もう一方は人の気持ちを上手く察せない。揚げ足の取り合いになっている。
 こんな時、レイラはと言うと年齢や立場などの非力さを感じていた。わたしなら皆を仲良くさせたいと思っても黒いモヤで見え隠れ。
 ちらっと見下ろしてきた謎の男の顔と髪色が偶然にも条件良く一瞬見えてしまう。
 レイラの金髪とよく似た髪色、だった気がする。よく自分の髪の手入れをするので自分の髪の色は知っていた。そして思慮深いのも相まって遺伝的に近いのも分かる。
 ずっと顔の方を見てくるのを見て顔に何かと言いかけたが自身のフードを深くかぶっている状況を考え、もしかしたらとよぎった。
「レイラと言ったね。いい名前だ。僕は常々思うよこの、バカげた戦争なんて消え去ればいいのにと!」
 累計で500年以上にのぼる戦争の歴史、極端な話どちらかが制圧出来ていればどういう結果であれ終わっていたのだ。あるいは、両方が歩み寄るか。
 よく分からないけど悔しくてムシャクシャし、もう年齢とか実力とか考えないで思った事を吐き出す決心を固める。
「わたしは、皆仲良くなればそれでいいの!」
 声質もあって鋭いこだまが轟く。
「空とか地上とか、半分ずつにしよ!!!」
 ソルは初めて自分の考えが固まっていたと自覚する。だからポンコツと呼ばれ続けていたのだと。ひざまずいて地べたを見た。