神秘の島と思われる離島に接近するにつれ、天候が荒くなり時々細い電撃が横切った。
 シャイニー達は氷海の空の事を思い出しながら走る電気を避けていた。
 氷海の空は天空都市・スカイスペースを輪っかのように取り囲んでいて、それで地上の国が攻めにくいような構造となっている。
 地上の国が攻めるには二つの大きな困難を乗り越えた上で戦わなければならない。一つ目は極寒すぎて体力の消耗が激しい、のちにノータイムで戦闘も行う必要があり、本来は攻めるだけ無駄足ですらあった。
 二つ目は、飛行機を使えば程度には問題を解消できるものの大量に浮いている氷塊を避けて通るのが必要だ。
 相当の操縦テクニックを要され頑丈に作った所で、巨大な氷塊に衝突すれば本体の破損は防げない。
 レイラという少女は全ての氷塊を避けつつスカイスペースに接近しただけ、何気に凄い。
 戻って難なく神秘の島、小高い山があり頂上に降り立つ。
 岩肌と砂利が多く雑に配置された民族が使いそうな置物が妙な異彩を出す。
 ど真ん中に白い粉物でえがかれた魔法陣が鎮座する。

「不思議だな。こんなの見た事ない」

 眉をひそめながらなんの躊躇もなく置物をベタベタ触ってはグルグル回して細かに拝見。
 困りながらファイアの好奇心を、兄の対応とが違い服の裾を引っ張りながらやめるよう促す。
 置物は埃まみれで製作者の誇りもない。
 ひとしきり見物を終えた所でファイアは「で、なんだっけ」という大ボケをかます。

「守り神の子に会いに来たんだよ! でも、いないね」
「気配ならそこの岩からあるぞ」
「え?」

 よく見れば衣装の布のようなリボンの紐が風になびいて見事にモロバレだ。
 まるで気づいていなかったシャイニーが自分が大ボケだったと恥ずかしくなって赤面したタイミングで、レイラほどの10歳前後くらいの少女が繊細に輝く光を出しながら仁王立ちで現れる。

「よく来た! そして、よく見つけた事を誇りに思うが良いぞ!」
「埃まみれじゃねえかよここ」

 早々やけに辛辣だ(笑)。
 とても痛い点を突かれ一歩身を引く謎の少女。

「うるさいうるさいうるさい! 明日綺麗にする!」
「今日にしろ」
「ちょっとファイアくん、もう少し控えめにした方が」

 とか言いながら満面の笑みである。
 既に彼らの上下関係が構築されてしまった様子で、悔しそうに座り込んで木の枝で地面に落書きをし始めてしまった。
 内心何しに来たんだろうと我に返るシャイニー出会ったが、ほっこりもしたのであんまり考えない事に。
 一緒に近くに座り込んで不機嫌になってしまった少女と話すのを試みる。
「名前は?」
「リコ、と言う。お前ら嫌い……ぐすん!」