「か……がはっ……!」
ベヒーモスに胴体を噛みちぎられて絶命寸前の僕。
もしかしたらと思いベヒーモスと戦ってみた結果がこれだ。
血だまりの出来た地面に這いつくばりながら呼吸をするのがやっとの状態。
そんな僕を片目で見下ろしつつベヒーモスはその大きな足で僕を踏みつけた。
「ぐあぁっ……!」
何度も何度も踏みつけてくる。
「ぐあっ……うあぁっ……ぐああぁっ……!」
実は僕はベヒーモスに一太刀浴びせることに成功していた。
僕の短剣はベヒーモスの右目を確実に捉え潰していたのだった。
しかしそのせいでベヒーモスの怒りを買ったらしくベヒーモスは執拗に僕を痛めつけてくる。
『グオオォォォーン!!』
そして次のベヒーモスの一撃がとどめとなり僕はこの日同じベヒーモスによって二度目の死を迎えた。
◆ ◆ ◆
気付くとベヒーモスから十メートル程離れた地点で僕は復活を果たしていた。
足元から僕が消えたと同時に完全復活した姿で現れたことにさすがのベヒーモスもぎょっとしている。
『グオオォォォーン!!』
だがすぐに気を取り直しベヒーモスは僕に向かって突進してきた。
「そう何度も殺されてたまるかっ」
僕は左に跳んでベヒーモスの突進を回避する。
すんでのところでかわすことに成功した僕はベヒーモスの背後から背中に跳び乗ると左手でベヒーモスの逆立った体毛を掴み、右手に持った短剣で後頭部を突き刺した。
『グオオォォォーン……!!』
頭を回して僕を振り落とそうとしてくるベヒーモス。
僕の攻撃を嫌がっているようだ。
「このっ」
僕は必死にベヒーモスの体毛にしがみつきながら少しずつ上に向かっていく。
そしてベヒーモスの後頭部に抱きつくと僕は短剣を握り締めてベヒーモスの喉を後ろからかき切った。
ブシュッーとまるで噴水のように勢いよく血が噴き出る。
『グオオォォォーン……!!』
「うわっと」
最後の力を振り絞ったかのようなベヒーモスの動きに僕はたまらず振り落とされてしまった。
地面に落下する。
「いってて……」
だが見上げるとベヒーモスは大量の血を失ったせいかふらふらとよろめいていた。
そしてそのままベヒーモスは地面に横になって倒れ込んだ。
ベヒーモスの巨体が倒れたことで地面が揺れる。
「や、やった……ベヒーモスを倒したぞっ」
信じられないことにBランクの冒険者が束になってやっと勝てるというベヒーモスをEランクの僕がたった一人で倒してしまったのだった。
「は、ははっ」
ベヒーモスが僕の目の前で倒れている。
そんなあり得ない光景を見て思わず笑いがこぼれてしまう。
「そ、そうだ、ステータス確認しとくか」
僕は「ステータスオープン」と唱えステータス画面を開いた。
*************************************
NAME:クズミン・アルバラード
Lv:37 LANK:E
ATK:201 DEF:192
AGI:186 LUK:165
Skill:強復活
*************************************
「うおおっ、すごっ」
ベヒーモスを倒したことで僕のレベルは3から37に跳ね上がっていた。
「あれ? でもおかしいな……」
と異変を感じる。
というのも前にライドンのステータスボードを見せてもらったことがあるがライドンはレベル55でATKの数値は100ちょっとだったはずだ。
僕はその時はそれが当たり前だと思っていたがライドンよりレベルが低い今の僕の方が倍近く数値が高い。
「なんでだ……?」
首をひねる僕。
すると前までは空欄だった部分に【強復活】という文字が浮かび上がっていることに気付いた。
「あー、そうかっ」
《あなたのスキルは死ぬたびに生前よりもさらに強靭な肉体となってよみがえることが出来るという強復活というものです》
女神様が言っていたな。死んでから発動する僕のスキル。
このスキルによって二度よみがえりを果たしている僕はそれだけで既にベヒーモスを倒せる程の強さを手に入れていたというわけか……。
「ふっ、ふふ……」
僕はここである一つの考えに思い至る。
二度死んで生き返っただけでランクBのライドンより圧倒的に強くなったというのならもっと死んで生き返ればさらに強くなれるのではないか。
僕は自分でも驚くほど簡単にその結論に飛びついていた。
短剣を持った右手に力を込めるとそれを自分の心臓に思いきり突き刺す。
「ぐうぅっ……!」
痛い……苦しい……だが、これで僕はもっともっと、強くなれる……。
ベヒーモスに胴体を噛みちぎられて絶命寸前の僕。
もしかしたらと思いベヒーモスと戦ってみた結果がこれだ。
血だまりの出来た地面に這いつくばりながら呼吸をするのがやっとの状態。
そんな僕を片目で見下ろしつつベヒーモスはその大きな足で僕を踏みつけた。
「ぐあぁっ……!」
何度も何度も踏みつけてくる。
「ぐあっ……うあぁっ……ぐああぁっ……!」
実は僕はベヒーモスに一太刀浴びせることに成功していた。
僕の短剣はベヒーモスの右目を確実に捉え潰していたのだった。
しかしそのせいでベヒーモスの怒りを買ったらしくベヒーモスは執拗に僕を痛めつけてくる。
『グオオォォォーン!!』
そして次のベヒーモスの一撃がとどめとなり僕はこの日同じベヒーモスによって二度目の死を迎えた。
◆ ◆ ◆
気付くとベヒーモスから十メートル程離れた地点で僕は復活を果たしていた。
足元から僕が消えたと同時に完全復活した姿で現れたことにさすがのベヒーモスもぎょっとしている。
『グオオォォォーン!!』
だがすぐに気を取り直しベヒーモスは僕に向かって突進してきた。
「そう何度も殺されてたまるかっ」
僕は左に跳んでベヒーモスの突進を回避する。
すんでのところでかわすことに成功した僕はベヒーモスの背後から背中に跳び乗ると左手でベヒーモスの逆立った体毛を掴み、右手に持った短剣で後頭部を突き刺した。
『グオオォォォーン……!!』
頭を回して僕を振り落とそうとしてくるベヒーモス。
僕の攻撃を嫌がっているようだ。
「このっ」
僕は必死にベヒーモスの体毛にしがみつきながら少しずつ上に向かっていく。
そしてベヒーモスの後頭部に抱きつくと僕は短剣を握り締めてベヒーモスの喉を後ろからかき切った。
ブシュッーとまるで噴水のように勢いよく血が噴き出る。
『グオオォォォーン……!!』
「うわっと」
最後の力を振り絞ったかのようなベヒーモスの動きに僕はたまらず振り落とされてしまった。
地面に落下する。
「いってて……」
だが見上げるとベヒーモスは大量の血を失ったせいかふらふらとよろめいていた。
そしてそのままベヒーモスは地面に横になって倒れ込んだ。
ベヒーモスの巨体が倒れたことで地面が揺れる。
「や、やった……ベヒーモスを倒したぞっ」
信じられないことにBランクの冒険者が束になってやっと勝てるというベヒーモスをEランクの僕がたった一人で倒してしまったのだった。
「は、ははっ」
ベヒーモスが僕の目の前で倒れている。
そんなあり得ない光景を見て思わず笑いがこぼれてしまう。
「そ、そうだ、ステータス確認しとくか」
僕は「ステータスオープン」と唱えステータス画面を開いた。
*************************************
NAME:クズミン・アルバラード
Lv:37 LANK:E
ATK:201 DEF:192
AGI:186 LUK:165
Skill:強復活
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「うおおっ、すごっ」
ベヒーモスを倒したことで僕のレベルは3から37に跳ね上がっていた。
「あれ? でもおかしいな……」
と異変を感じる。
というのも前にライドンのステータスボードを見せてもらったことがあるがライドンはレベル55でATKの数値は100ちょっとだったはずだ。
僕はその時はそれが当たり前だと思っていたがライドンよりレベルが低い今の僕の方が倍近く数値が高い。
「なんでだ……?」
首をひねる僕。
すると前までは空欄だった部分に【強復活】という文字が浮かび上がっていることに気付いた。
「あー、そうかっ」
《あなたのスキルは死ぬたびに生前よりもさらに強靭な肉体となってよみがえることが出来るという強復活というものです》
女神様が言っていたな。死んでから発動する僕のスキル。
このスキルによって二度よみがえりを果たしている僕はそれだけで既にベヒーモスを倒せる程の強さを手に入れていたというわけか……。
「ふっ、ふふ……」
僕はここである一つの考えに思い至る。
二度死んで生き返っただけでランクBのライドンより圧倒的に強くなったというのならもっと死んで生き返ればさらに強くなれるのではないか。
僕は自分でも驚くほど簡単にその結論に飛びついていた。
短剣を持った右手に力を込めるとそれを自分の心臓に思いきり突き刺す。
「ぐうぅっ……!」
痛い……苦しい……だが、これで僕はもっともっと、強くなれる……。