俺たちはカレーを食べ終えると店員さんに拍手で見送られながら店を出た。
恥ずかしいからああいうことはやめてほしい。

再び俺は高木と並んで歩く。目的地もわからずに。

「なあどこに向かっているのかいい加減教えてくれてもいいんじゃないか」
「ヒントは教えてあげたじゃない」
確か暗い場所って言っていたが……。

「映画館か?」
「せっかくのデートを二時間も無駄にしたくないわ」
「じゃあプラネタリウムか?」
「眠っちゃうのがオチよ」

「だったら水族館とか?」
「それはこの前行ったでしょ」
「それじゃあ――」
「だ~め。それ以上質問は禁止」
高木は俺の唇にそっと人差し指を触れさせた。

「あとはついてのお楽しみよ」
と微笑むと歩く速度を上げる。
俺は仕方なくペースを合わせた。


高木と他愛のないことを話しながら歩いていると前にバス停が見えてきた。
「あっやば。走ってっ」
高木が俺の手を握り駆け出した。

「ちょっと、おい、あのバスに乗るのか?」
「決まってるでしょ。いいから早くっ」

ちょうどとまっていたバスに乗りこみ空いている席を探す。があったのは一つだけ。

「はぁ、はぁ……お前座れよ」
「え、いいの? ありがとっ」
全然息を切らしていない高木に席を譲り、それからバスに揺られること十数分。

「次は神宮寺遊園地前~、神宮寺遊園地前~」
アナウンスが聞こえると、
「はい、降りまーす」
元気よく高木は手を上げた。子どもかよ。

「次で降りるのか?」
「そうよ」
にやりと俺を見上げる。

目的地は遊園地?
全然暗くなんてないぞ。むしろ真逆じゃないか。

バスから降りると遊園地は目と鼻の先。
高木は遊園地に向かってまた俺の手を取り駆け出した。元気な奴だ。

人の波に飲み込まれそうになるも手をつないでいたおかげで離ればなれにはならずに遊園地の入り口へとたどり着く。
チケットを買い入場すると高木が真っ先に俺を連れていったのは……。

「目的地に到着ー!」

おどろおどろしい外観をしたお化け屋敷だった。