そうと決まると周囲は一気に忙しくなった。


式の招待状や席次表などを変更してもらう必要があったし、おじさんと宗君は、急遽新郎が変更したことを会社や取引先の人たちに話をして回った。

新郎が変わった理由というのが、私と宗君が密かに想い合っていたからという私にとっては夢のようなものだったので、彼がどんな顔で話をするのか気になって、母に「私も一緒に話そうかな?」と、言ったけれど反対されてしまった。


母は私が好奇の眼差しに晒されることを心配していたので、それ以上は口に出せなかった。

結婚式の日は刻々と近づいてくる。
カレンダーでその日を追うのが楽しくてしかたがない。

少し前は絶望に打ちひしがれていた心は、充実感に満ち溢れまるで別人のように軽やか。

毎日がため息で溢れることなくなったので、加代さんに「最近のお嬢様はご機嫌ですね」と、言われるほどだった。